BEATLESのアナログ盤
1969年9月26日。ビートルズの12枚めのオリジナル・アルバム『アビイ・ロード』が
英国でリリースされました。 まずシングル・カットされた「カム・トゥゲザー」と「サムシング」、この2曲の素晴らしさに打たれました。 アルバム単位でみると、B面の完成度の高さは、「ロック・アルバム」というものの本質的な意味をもう一度考えさせるに十分なものでしたが、
ぼくはA面の最後に置かれた「I Want You」がとても重要な働きをしているように思えました。 では、いつものようにUKオリジナル盤からご覧ください。 |
アビイ・ロードにあるEMIスタジオの前の横断歩道を横切るショットは、
おそらく世界で最も有名なアルバム・ジャケットではないでしょうか。
なんて、まことしやかな噂が流れましたね。(カラー文字の部分をクリックすると関連の画像が開きます) ついでにもうちょっと付け加えておくと、ポールがなくなったのは1966年11月9日水曜日の早朝、乗っていたアストン・マーチンが
激突炎上したからだ、ということになっていました。
『マジカル・ミステリー・ツアー』関係では、
なんていうのがあって、とくに最後の噂を聞いたときは、家に飛んで帰って「ストロベリーフィールズ・フォーエヴァー」を聴いて、
「うわぁ、確かに言ってるよ! 怖いよ〜」なんて、びびったものでした。 まだありますよ(笑)。『ホワイト・アルバム』では、
まだまだ、たくさんあるんですが、これくらいにしておきます。 さて、レコードの話でした(笑)。 レーベルはダーク・グリーン・アップルで、Side-2に「Her Majesty」の表記がありません。 |
「Yellow Parlophone Data Base」 でも書いているように、2004年版の英『RECORD COLLECTOR』誌のプライス・リストでは、 「Her Majesty」クレジットのないもの、および「レフト・アップル」についてはプレス・ミスの立場を取っており、 アップル・マークが左寄りではなく、「Her Majesty」の表記があってもファースト・プレスである、ということだそうです。 |
白いプレーンなインナーに収められています。インナーのクレジットは左下に「PATENTS APPLIED FOR」、
右下に「MADE IN GREAT BRITAIN」と書かれたものです。 国内アップル盤でおなじみのブラック・インナーと並行して、このホワイト・インナーもファースト・プレスから 使用されました。 |
つづいて3rdプレス?です。 |
ファースト・プレスとは微妙に色味が違っています。アップル・マークは上下のクレジットと揃っています。 またジャケットの貼り合わせ方が初盤とは異なっています。 ファースト・プレス(写真上)は表を折り返して裏と貼り合わせ、再発盤(写真下)は裏を折り返して表と貼り合わせています。 |
マトリクス関係はSide-1がYEX 749-4、3 /HR、Side-2がYEX 750-2U、7 /GDGとなっています。
やはり白いプレーンなインナーに収められていますが、左下のクレジットが「PATENTS APPLIED FOR」ではなく、
「PATENT No.1,125,555」になっています。特許が取れたんですね(笑)。 |
つづいてUSプレス。レコード番号はSO-383で、イギリスより1週間遅い69年10月1日のリリースです。 |
表ジャケットはUK盤に比べると、やや赤みを帯びたものになっています。
写真が拡大されており、横断歩道の白いラインの一番右のものが見えなくなっています。 |
レーベルはアップルですが、ぼくが持っているものは1stプレスではありません。 4枚目は国内盤・ファースト・プレスです。「丸帯」あるいは「ひょうたん帯」と呼ばれる帯がついています。 |
バック・カヴァーはレフト・アップルよりもっと有名なミス・プリント(笑)、Side-1の曲順、「Something」と 「Maxwell's Silver Hammer」が入れ替わっています。 このミス・プリントはずいぶんあとまで訂正されなかったような記憶があります。 |
レーベルはアップルで、エヴァークリーン・シリーズの赤盤、アップルの黒いインナーに収められています。 ところで、いわゆる「レフト・アップル」や国内盤の曲順違いのようなミス・プリントはどうして生じるのでしょうか。 ジャケット右上の建物からジャケット端までの距離や、右端の横断歩道の白いペイントの面積を見ればすぐにわかります。 この点をふまえてdonjiさんという方がたまちさんのサイトで興味深い考察をされています。 アナログ印刷では、「写真原稿」と「版下」と呼ばれる文字原稿によって製版されるのですが、
写真と文字とがどのようにレイアウトされるかを示す「アタリ」と呼ばれるトレーシング・ペーパーが付属しています。 アップルのマークと背景の塀のブロック、それに文字のレイアウトを比較してみましょう。 アップルのマークは「レフト・アップル」も通常盤も同じブロックの上に載っています。 じつはこのレフト・アップル、UK初盤だけでなくオーストラリア盤でも見られるのですが、UK盤ほどずれてなくて「ちょいレフ」
になっています(笑)。やはり「アタリ」の指示が曖昧だったのでしょう。 国内盤の曲順ミスについては、「『版下』に日本語クレジットを追加する作業中に、 一度写植文字(版下に貼り込んである文字)がはがれて、元に戻したつもりが間違ったのかな」と推測されています。 donjiさんは印刷関係のお仕事だそうで、説得力のある考察ですよね。 つづいて78年6月5日にリリースされたプロ・ユース・シリーズをご覧ください。 |
バック・カヴァーの曲順はまだ訂正されていません(ここまでくると怠慢)。 オーディオ評論家加藤しげきさんの解説によると、オーディオ機器の高性能化にともなって、さらによい音、高精度の音をめざしたもので、
「新たにトラックダウンしなおした76p/secの2トラック・マスター・テープからハーフ・スピード・カッティングされ」たもの
と書かれています。 レーベルはアップルで、半透明のポリエチレン製のインナー入り、前述の加藤しげき氏のほかに吉成伸幸氏の解説、歌詞、 同じく吉成伸幸氏による対訳がついています。 |
最後はモービル盤です。 |
例によって、表裏とも一番上に黄色い帯状の部分があり、そこに「ORIGINAL MASTER RECORDING」と印刷されています。 イアン・マクミランのクレジットの下には、
「HALF-SPEED MASTERING BY STAN RICKER, JVC
・SUPER HIGH DEFINITION VINYL (WITH EXTENDED LIFE) ・IMPORTED PRESSING ・STATIC FREE INNER-SLEEVE
・SOURCE: THE ORIGINAL STEREO MASTER TAPE」と書かれていますが、リマスタリング・エンジニアの氏名が明記されているのは
このアルバムだけではないかと思います。 レーベルはおなじみ白の上部にブラウンで「ORIGINAL MASTER RECORDING」と書かれたものです。 |
なお、音質評価については
「モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッション」に載せています。
併せてご覧ください。
special thanks to MASA, Mr.Hiropon, Mr.Tamachi,
Mr.pink island and especialy Mr.donji
© 2004 ryo parlophone
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||