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まず、オリジナル1stプレスのMT刻印です。
ひとことでいうと「骨太な音」ですね。低音の量感たっぷりというわけではないんですが、ベースが硬く引き締まった音で鳴り、
「ヘルプ!」の間奏のE.ギターや、「You've Got To Hide Your Love Away」のA.ギターなんかも太い音がします。
ヴォーカルはしっかりと実在感がありますが、「アナザー・ガール」のコーラスはちょっと荒っぽい感じ。
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つづいてUK再発盤1EMIマークです。
中域を重視したマスタリングで、けっしてハイ・ファイではないんですが、迫力のある音。
「ヘルプ!」のスネアは独特のチューニングがされていると思うんですが、それがとてもよい音で鳴ります。
ベースが小さめなので全体的には軽い音なんですが、エレクトリック・ピアノなどもいい音で再生されるので、
深夜なんかにちょっとラウドネスを効かせてやればちょうどいいと思います。
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3枚めは国内初盤。
これはヴォーカルの線が細く聞こえてしまうのが残念ですね。
ジョンが弾くフラマスの12弦、ジョージのグレッチ、ポールの弾くカジノ、リンゴのドラム、さまざまなパーカッション、
みんないい音で聞こえるのになあ。
それにしても、ぼくが持ってる赤盤はレーベルがヒゲだらけなのに、耳障りなスクラッチ・ノイズも聞こえずたいしたもんです。
昔のレコードって、やっぱりしっかりカッティングしてしっかりプレスしてあるんですね。
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4枚目はモービル盤です。
ひとつひとつの楽器やヴォーカル、コーラスがそれぞれ鮮度の高い音で、
しかもそれらが絶妙にブレンドされています。リマスタリングのうまさを感じさせますね。
とくに「アクト・ナチュラリー」なんかは音楽の楽しさがホントによく伝わってきます。
右chで、なにかカチカチ叩く音がしますよね。あれが軽やかでじつにいい音だし、ジョンの弾く
J-160Eのジャキジャキ感もよく出てます。
世界的に音がいいことで定評があるっていうのがやっぱり納得させられますね。
ただし曲によってはタンバリンの音などがやや耳につくことがあります。
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最後は国内盤CDです。
1987年のCD化、全世界音源統一化の際にジョージ・マーティンによってあらたにデジタル・リミックスされた音は
アナログ盤とはどう違うのでしょうか。
まず感じるのはベースの音がいい!ということです。弾む感じがよく出てソノリティー豊かです。
ただ量感でいうとモービル盤のほうが出ています。これは一長一短かな。
ほとんどの曲で左右の音がやや中央よりにリミックスされていると思いますが、
それより特徴的なのはヴォーカルがオンになっていること。
曲によってはバランスを崩していると思います(たとえば「ザ・ナイト・ビフォア」)。
演奏を聴こうと思ってヴォリュームを上げると、ヴォーカルがでかい……。
ぼくはこれはやりすぎだと思うなあ。
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