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STICKY FINGERS


モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッション、Chapter11は 初めてビートルズ以外のアルバムを取り上げます。
その記念すべき第1回はローリング・ストーンズの言わずと知れた71年の名盤、 『スティッキー・フィンガーズ』です。

今回はサウンド・インプレッションだけでなく、マテリアルについても少し紹介しておきましょう。

ヒッピー・ムーヴメントが67年のサマー・オヴ・ラヴを頂点としてしだいに衰退していくのと歩みを合わせるように、 ビートルズを中心に欧米の音楽界を巻き込んだサイケデリック・サウンドの波がしだいに引いていったとき、 ストーンズが原点回帰をめざしてプロデューサーに迎えたのは、ニューヨーク出身のジミー・ミラーでした。 そしてこのコンビネーションから『ベガーズ・バンケット』、『レット・イット・ブリード』、本作、さらには 『メイン・ストリートのならず者』といったストーンズの傑作アルバム群が生み出されていくことになります。

今回比較試聴するのは、国内アナログ盤、モービル盤、国内盤紙ジャケCDの3種です。

ではまず国内初盤からご覧ください。
英デッカとの契約を解除して自分たちのレーベル、R.Stones レーベルを設立したとき、 彼らがデザイナーとして白羽の矢を立てたのはアンディ・ウォーホール
のちにストーンズのシンボルともなる「ベロ・マーク」とともに、このジャケットもたいへんな話題になりました。
UK本国でのリリースは1971年4月23日。 国内盤の発売は71年6月で、ぼくは発売直後の6月12日に購入しています。 このころはストーンズ大好き少年でしたからね!




新レーベル設立に伴って国内の配給会社もキング・レコードからワーナー・パイオニア(当時)に移りました。
帯がどっかにあるはずなんだけどなあ。
国内盤のジッパーというかファスナーというかチャック(すべて登録商標なので使いにくいのですが)は 国内シェア第1位の(笑)YKK製です。




ファスナーを下ろして中を覗くと(いい歳して何やってんだろ?)、パンツの部分にはAndy Warholのネームが…。

黄色いストーンズ・レーベルで、レコード番号はP-8091S





インナー・バッグには5人のくつろいだスナップ・ショットのような写真と、巨大なベロ・マーク、 そして曲ごとの詳細なパーソネルが記載されています。




おそらく国内盤だけについていたと思われる黄色い歌詞カード。購入した日付を書き込んでいます。

つづいてモービル盤です。
カタログ・ナンバーはMFSL 1-060で、1981年6月のリリースです。




コーティングのない厚紙のシングル・ジャケットで、上部には表裏とも、おなじみの帯状の部分があって、そこに 「ORIGINAL MASTER RECORDING TM」と表記されています。

ジッパーはちょっと見、分からないぐらいのよくできたフェイクです。したがってなかを覗くことはできません(笑)。




レーベルはおなじみホワイト・レーベルで、上部にブラウンで「ORIGINAL MASTER RECORDING」と書かれ、 中央右側にはベロ・マークが入っています。レコードの保護用の厚紙は初期タイプです。

インナー・スリーヴはモービル盤に共通の、静電防止効果のある白い半透明のものなので、 オリジナル・インナーの表裏をコピーした、通称ベロ・シートがついています。




パーソネルが記載されている部分の左下にはモービル・フィディリティ・サウンド・ラボのマークが入っています。

最後は東芝EMIから発売された限定紙ジャケCDです。リリースは99年3月




タイトルとグループ名の入り方が国内盤とは違います。 それ以外は大変によくできた紙ジャケで、モービル盤のように内側を省略せずにちゃんとパンツを履かせています(笑)。 でも、さすがにファスナーまでミニチュア化することはできなかったようで、 その部分のバランスが崩れているのは残念です。
ファスナーは国内初盤と同じYKK製。




左が国内アナログ盤、右は紙ジャケです。



ちょっと開けにくいのですが、オリジナル・アナログ盤と同じように下に履いたパンツには Andy Warholのネームが入っています。

オリジナル盤がそうなっていたのでしょうか、ディスクは上から出し入れするタイプになっています。
考えてみれば、ズボンのなかからディスクを取り出すわけですから、上から出し入れするのが当然ですね。 国内アナログ盤のように横から出し入れするのは不自然です(笑)。



CDと付属のベロ・シートです。



ストーンズ・レーベルは91年にヴァージン・レコードと契約を結んだので、Virgin のロゴが入っています。

さて、それではこの3枚を聴き比べてみましょう。
最初は国内初盤です。
まず感じるのはとても気持ちのいい音だということです。
ヴォーカルやコーラス、サックスの音などもリアルで太い音がするし、ドラムスも張りのある音です。
ただ次のモービル盤と比較すると、少し録音が古めかしく聞こえてしまいます。 鮮度がやや不足するといえばいいのでしょうか。
低域は不足がちで、エレクトリック・ギターの音が歪んで聞こえる部分もあります。
楽器や声はやや混然とした感じで塊になって聞こえます。それはそれなりに魅力的ですが。

つづいてモービル盤
相変わらずカッティング・レベルが低いのでヴォリュームをだいぶ上げなければなりません。
しかし出てくる音は素晴らしい音です。ベースはブンブン唸りを上げ、バスドラの音はズドンズドンと腹に響きます。
けれどもたとえばA-3ワイルド・ホース」の左チャンネルで多用される、アコースティック・ギターの ハーモニクスなどはとても繊細な音がします。 ボビー・キーズのサックスも唾が飛んできそうなくらいリアルに鳴ります。
唯一の不満はヴォーカルがやや引っ込んで聞こえる部分があること。これはビートルズのモービル盤でも同様の傾向がありましたが、 A-1ブラウン・シュガー」でとくに顕著です。A-2スウェイ」になると気にならなくなります。
これさえなければ満点なんだけどなあ。

最後は限定紙ジャケCDです。
国内アナログ盤に比べると鮮明で、それぞれの音がそれぞれ克明に聞こえます。低域もモービル盤ほどではありませんが きちんと出ています。とくにA-4Can't You Hear Me Knocking」を国内アナログ盤と聴き比べると、 CDのほうがノリがよくて楽しめる感じです。
欠点は全体的にやや線が細くなって、音楽的な躍動感に乏しく感じるところでしょうか。
スウェイ」でもチャーリーのドラムスがやや迫力不足なのが残念です。
アコギなんかも少し色がついて華やかに鳴る感じがします。

ということで一長一短という感じですが、AVルームで聴くときはダンゼンモービル盤です(笑)。

© 2004 ryo_parlophone




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