余談ですがUK盤と国内盤ではどうしてこんなにジャケットの大きさが違うのでしょう。
では最後にこの4種類のEPを聴き比べてみましょう。
まずUKモノラル盤。いかにもTV放映を意識したかのような中域重視の音作りです。表題曲はヴォーカルやコーラスがやや細み。「アイ・アム・ザ・ウォルラス」はスネアを中心にボトムが充実して、ジョンのヴォーカルはフェイザーがかかったように歪んでいますが、ラジオの効果音などからははっきり分離して聞こえます。ストリングスも弓でこする感じがよく出ています。
つづいてUK再発盤。モノに比べると音が左右に広がり、高域も伸びて見晴らしがよくなった感じです。
表題曲のブラスは中域中心で輝かしい音色。「ウォルラス」はジョンのヴォーカルの再現性が見事です。弦の音もリアルです。
なお、モノラルとステレオでは「ウォルラス」のミックスが違っています。
次は国内初盤。UKステレオ盤に比べると高域を押さえた音作りで、一瞬ピッチが下がったかのように聞こえます。ヴォーカルはモノラルの質感に近い感じ。33回転というエクスキューズを必要としない、とても充実した音です。
最後は国内再発盤。92年のリリースですからデジタル・リマスター音源です。「マジカル〜」では不思議なことに楽器の配置が左右だけではなく上下にも広がって聞こえます。ポールのベースはやや膨らみぎみ。
ヴォーカルを前に出したリマスターなんだけど、CD初期特有の潤いに乏しい感じはこのアナログ盤にもあります。
こんなこと書くとそれはおまえの偏見だ、先入観だといわれそうなんですが、なんか紙臭いんですよね。いやあー、スピーカーって紙でできてたのね、
ってあらためて認識させられるような音です。スミマセン…(汗)。
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