BEATLESのアナログ盤

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A COLLECTION OF BEATLES OLDIES

オールディーズ」といえば、60〜70年代の古くて懐かしいポピュラー・ミュージックをさす言葉として広く使われています。
ハンディな辞書には載ってないかもしれませんが、口語で「懐メロ」という意味だそうです。
バック・カヴァーに「BUT GOLDIES!」とあるので、「古きよき日(Old days but Good days)」にひっかけたのでしょうが、 最も古いものでもわずか4年前の大ヒット曲の数々をみずから「懐メロ」と呼ぶ諧謔。
だれがつけたタイトルか知りませんが、いかにもジョンが考えそうなシニカルなユーモアですね(笑)。
もしビートルズのこのアルバムがリリースされていなかったら、今も60年代ポップスのことをわたしたちは 「懐メロ」と呼んでいたことでしょう。いまさらながらにビートルズがわが国の文化に与えた影響を思わせます。

さて、1966年のクリスマス・シーズンに発表されたビートルズ初のベスト・アルバム『オールディーズ』ですが、 当時洋楽を聴いていた友だちはみんな持ってましたね。まさに一家に一枚という感じ。
ですから逆に、ぼくにとっては現役時代のUK盤としては一番最後に手に入れたアルバムになりました。

ではまずオリジナルのモノラル盤からご覧いただきましょう。




661210日のリリースで、カタログ・ナンバーはPMC 7016
表のみヴィニール・コーティングの施されたスリーヴはGarrod & Lofthouse製で、裏は三方から折り返しのある フリップ・バック、というおなじみの形態です。
いかにも60年代というフロント・カヴァーのデザインはデイヴィッド・クリスチャン、来日時にヒルトン・ホテルの一室で撮られた バック・カヴァーの写真は前作『リヴォルヴァー』にひきつづきロバート・ウィタカーの手になるものです。
写真が裏焼きになっているのがご愛嬌(笑)。

ぼくが手に入れたものは幸いにもニア・ミント・コンディションで、角のツブレなどもなく バック・カヴァーの白さもほぼ発売当時の美しさを保っています。




レーベルはおなじみイエロー・パーロフォンで、スピンドル・ホールの上には「SOLD IN U.K.〜」というリマークがあり、 Side-1に「KT」というタックス・コードが刻印されています。
マトリクス関係は、Side-1がXEX 619-1G1 /GH、 Side-2がXEX 620-1G2 /Tとなっています。
A面は1枚目のラッカー盤、1枚目のマザー、17番目のスタンパーから、B面は1枚目のラッカー盤、2枚目のマザー、 9番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
スタンパーの読み方については Yellow Parlophone Data Baseをご覧ください。
インナー・スリーヴはオリジナルは『リヴォルヴァー』と同様の白いプレーンなものですが、翌年には写真のようなアド・スリーヴに 変更になっています。

つづいてオリジナル・ステレオ盤です。




モノラル盤と同じく、表のみがコーティングされたフリップ・バックのジャケットはGarrod & Lofthouse製で、 フロント・カヴァー右上には「stereo」のスモール・ロゴがあります。
カタログ・ナンバーはPCS 7016
モノラル盤ほどではないものの、これもニア・ミントの状態を保ったたいへん美しいスリーヴです。

レーベルはイエロー・パーロフォンで、モノラル盤と同じフォント、レイアウトですが、 PARLOPHONEのロゴの上にSTEREOの表記があります。
このSTEREOのロゴはふつうのレーベルのものより大きめで、比較的レアなものではないかと思います。




Side-2にタックス・コードKTの刻印があります。
マトリクスはYEX 619-1G、YEX 620-1Gで、スタンパー関係はSide-1が2 /GO、 Side-2が1 /GLとなっています。
A面は1枚目のラッカー盤、2枚目のマザー、15番目のスタンパーから、B面は1枚目のラッカー盤、1枚目のマザー、 18番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
インナーはやはりアド・スリーヴですが、インクの色はブラックで『リヴォルヴァー』のジャケットが掲載されたものです。

3枚目は再発のステレオ盤です。




表のみがコーティングされたフリップ・バックのジャケットはGarrod & Lofthouse製でファースト・プレスと同じですが、 フロント・カヴァー右上に「stereo」のロゴがありません。




レーベルはシルバー・パーロフォンの2 EMIロゴで、リムが「THE GRAMOPHONE CO LTD」で始まるタイプ、マトリクスは オリジナルと同じYEX 619-1G、YEX 620-1Gで、スタンパー関係はSide-1が2/HT、 Side-2が2/GDTとなっています。
インナー・スリーヴはおなじみ、70年代のアド・スリーヴです。

さて、ここでちょっと気になることがあります。
ファースト・プレスのモノラル盤とステレオ盤をインナーだけで比較すると、モノラル盤はワイン・レッドのインクで 『サージェント・ペパーズ』が掲載されていますから67年夏以降のプレス、ステレオ盤はブラックのインクで 『リヴォルヴァー』のジャケ写入りですから67年初頭から前半にかけてのプレスと考えられます。
ロンドンのレコード・ショップYAS U.K.のサイトでも、 インナーはブラック・リヴォルヴァー・タイプからレッド・サージェント・タイプに移行したと明記してあります。

ところがスリーヴを見ると混乱してしまいます。



上から順にオリジナル・モノラル盤、オリジナル・ステレオ盤、再発ステレオ盤です。
上はGarrod & Lofthouse社のクレジットの右に「Patents pending」と書かれていますが、 中のステレオ盤ではその部分が「Patent No.943,895」になっています。 このクレジットはぼくの所有しているものでいえば、セカンド・プレスの『イエロー・サブマリン』と同様のもので、 『イエロー・サブマリン』自体は69年ごろのプレスと考えられます。
ところが下の再発ステレオ盤ではまた「Patents pending」にもどっています。

これはどういうふうに考えればいいのでしょうか。
インナーだけでいえば、オリジナル・ステレオ盤のほうがプレスが早いことになりますが、スリーヴの製作会社のクレジットからは オリジナル・モノラル盤のほうが古いことになります。
どちらかのインナーが取り替えられていてオリジナルではないと考えればすむことかもしれません。
ところがスリーヴのクレジットはPatents pending→Patent No.943,895→Patents pendingとなっています。
つまり一概にパテント・ナンバー入りのほうが新しいともいえないようなのです。
再発のステレオ盤に古いスリーヴが使われたと考えればよさそうですが、そうはいきません。
再発盤はフロントにstereo表記がなく、新しいスリーヴであることを証明しているからです。
ということはパテントは一度取得してもう一度取り直しているのでしょうか。
いずれにしてもスリーヴ(ジャケット)やインナー・スリーヴでリリースの時期を確定しようとしても 一筋縄ではいかないということでしょうね。
また偶然かもしれませんが、このナンバー入りスリーヴだけバック・カヴァーが左にずれているので、 ほかでは見えないジョージの耳を見ることができます(笑)が、 「BUT GOLDIES!」のサークルは切れかかっています。

なお、この3種類のスリーヴは背表紙の絞りでも違いがあります。



上がモノラル盤で絞りがなく、中と下はステレオ盤で絞りがあります。
単純に絞りのないほうが古く、絞りのあるほうが新しいスリーヴということでいいのでしょうか。
いずれにしてもぼくにはわからないことだらけで、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら よろしくお願いいたします。

さて、もう1枚再発ステレオ盤をご覧いただきましょう。




今度はフロント・カヴァーに「stereo」のロゴがありますが、裏はフリップ・バックではありません。
そして不思議なことにスリーヴの製作会社のクレジットがありません。




レーベルは同じくシルバー・パーロフォン、2 EMIロゴ、リムが「THE GRAMOPHONE CO LTD」で始まるタイプで、マトリクス関係は Side-1がYEX 619-1G1/HR、Side-2がYEX 620-1G4/HOとなっています。
インナー・スリーヴも同じカンパニー・スリーヴです。
いつもは取り出し口の切れ込みのあるほうを載せることにしていますので、今回は反対側の画像を載せておきます。
『レット・イット・ビー』や『アビー・ロード』と並んで、ポールやリンゴのファースト・ソロ・アルバムの写真も掲載されています。

2枚の再発盤はレーベルのフォントが少し違っています。




最後に国内盤を1枚ご覧ください。




国内盤の初発はUK盤の翌年、67年2月ですが、ここでご紹介しているのは レーベルがアップルになってからのセカンド・プレスで、カタログ・ナンバーはAP-8016、 69年にリリースされたものだと思います。
青帯がついていますが、この帯のデザインは基本的に初盤のオデオン・レーベルと同じものです。
帯に書いてあるように未発売曲「Bad Boy」収録というのが、やはりウリだったようです。

バック・カヴァーの写真は正しく修整されていますので、「BUT GOLDIES!」などのレイアウトがUK盤とは左右対称に なっています。




左がUK盤、右が国内盤ですが、たしかにポールなどはこうやって比べてみると英国盤に違和感があります。

初盤ではフロント・カヴァー右下のパーロフォンのマークの位置に、オデオンのマークがついていましたが、 2ndプレスではそれがなくなったため、ぼんやりとパーロフォンのマークが残って見えます。






ディスクはエヴァー・クリーン・タイプの赤盤で、アップル・レーベル、おなじみのブラック・インナーに収められています。


解説と歌詞が記載された4ページにわたるブックレットがついています。
解説は前作『リヴォルヴァー』に引き続き、評論家の福田一郎さん。
昨日、今日そして明日のビートルズ」と題されたこの評論は『リヴォルヴァー』の反響のすごさから始まって、 その内容がビートルたち自身の音楽的欲求を満たすためのものであって、ファンにアッピールすることは二の次であったこと、 にもかかわらず大ベスト・セラーになり、しかも今まで彼らの音楽に否定的だった人々に絶賛されていること等を述べ、 最後に現在スタジオ入りしているといわれる彼らが次にどんなアルバムを作るのだろうか、といったような結びになっています。
……つまり『オールディーズ』のことは一言も書いてない!
見事です(笑)。
しかもその内容は今読み返してみてもじつに的確に当時の彼らの姿を捉えています。
さすが福田一郎さん。あらためて尊敬します。


なお、本アルバムはUS盤が存在しません。
あれだけ商魂たくましかった米キャピトルが、このアルバムをリリースしなかったのには何か訳があるのでしょうか……。






© 2004 ryo parlophone




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