リアル・タイムにビートルズを聴いてきた人間としては、『プリーズ・プリーズ・ミー』というアルバム はそんなに馴染み深いものではありません。 ぼくらにとってデビュー・アルバムとは『ビートルズ!』であり、「抱きしめたい」も「シー・ラヴズ・ユー」
も入ってないアルバムって、なんとなく存在感がありませんでした。 A面1曲目におかれた「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」は、
当時のリヴァプールですでにいくつかのグループによってカヴァーされるほど人気のあった曲だそうですが、
「One,Two,Three,Four!」というポールの勢い込んだようなカウントは、ライヴを聴いているかのような錯覚を聞き手に与えます。 では、まずUKオリジナル盤から紹介していきましょう。 ビートルズのレコード研究はすごく進んでいるので、ぼくのような素人でも、自分の持っているレコードが 何番目のプレスかわかります(便利なような、哀しいような……)。 ご承知のように、このアルバムの1stプレスと2ndプレスは、レーベルが黒地に金色の文字でプリントされた
ブラック & ゴールド・レーベル、通称「ゴールド・パーロフォン」と呼ばれるものです。
スリーヴ(ジャケット)はErnest J. Day社製で、表・右上の表示はラージ monoロゴ、 裏はフリップ・バックと呼ばれる三方から折り返しのあるタイプです。
それではレーベルです。 |
Side-1の「I Saw Her Standing There」、Side-2の「Do You Want To Know A Secret」など4曲のオリジナル曲の出版社名が
「Northern Songs Ltd」に変更になっている2ndプレスです。 ではつづいて4thプレスのモノラル盤です。 |
3rdプレスからは黒地に黄色で「PARLOPHONE」と書かれた「イエロー & ブラック・レーベル」、
略して「イエロー・パーロフォン」と呼ばれるレーベルになります。 4thプレスもスリーヴは基本的に1stプレスと同じで、Ernest J. Day社製、表・右上の表示はラージ monoロゴ、
裏はフリップ・バックになっています。 |
タックス・コードは同じくMTで、プレスは1964年だと思われます。 さて、つづいて5thプレスです。 |
具体的に4thプレスとの違いを見ていきましょう。 |
マトリクスの枝番はこれも、-1N / -1Nで、タックス・コードはこれもMTで、
マザー・ナンバー/スタンパー・コード>はSide-1が「13 / ROO」で13番目のマザー、255番目のスタンパー、
Side-2が「3? 18? / RPH」で3枚目(または18枚目?)のマザー、
267番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。 裏ジャケの右下にあるスリーヴの製作会社のクレジット。上がアーネスト社、下がギャロッド社製です。 4枚目はオリジナルのステレオ盤です。 |
スリーヴはG&L社製で、スモールstereoロゴがついています。 |
リムのコピーは「THE GRAMOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプで、
スピンドル・ホールの上には「SOLD IN U.K.SUBJECT TO RESALE PRICE CONDITIONS,SEE PRICE LISTS」という
セントラル・リマークがあります。 つぎは、70年代後半にプレスされたステレオ盤です。 |
ジャケットの表はラミネート・コーティングされ、右上にはラージstereoロゴがついています。
裏はフリップ・バックではなくなり、右端にコーティングの折り返しがわずかに見られます。 |
「Important Notice」と書かれたEMIのインナー・スリーヴに入っています。 2種類のステレオ盤を較べてみましょう。 ロゴの大きさにかなりの違いがあります。 さて、つづいては国内盤です。 まずはオリジナルのOdeonレーベル、OP・7548。 |
中には4人のそれぞれのポートレイトと歌詞の印刷された豪華なブックレットが綴じこまれていて、 4人が純然たるアイドルとして扱われていたことがよくわかります。 |
広告入りのインナー・スリーヴに、赤盤です(黒盤も存在します)。 つづいて2ndプレスになるApple盤、AP-8675。69年のプレスだと思われます。 |
この赤帯は下端がAppleになっている以外、1stプレスと同じデザインです。ジャケットはやや厚手になり、 ヴィニール・コーティングではなくなります。 オデオン盤はコーティング・スリーヴの美しさが目立ちます。 表ジャケを1枚めくったところ。厚みの違いが画像でおわかりになるでしょうか。 背表紙を見ると、ずいぶん厚みが違います。 1stプレスと同じブック・レットが綴じこまれています。 |
おなじみのアップル・レーベルですが、曲順がまったく違うので違和感があります(笑)。 アップルの黒いインナーに入っています。 8枚目に紹介するのは、76年になって初めてオリジナル・ジャケット、
オリジナルの曲順で復刻された『PPM』です。 |
せっかくオリジナル・ジャケットになったのに、コーティングのない厚紙製の、USタイプのジャケットになってしまいました。 左がオリジナル盤、右側が東芝EMI盤です。
アップル・レーベルの黒盤でステレオ音源、中には同じ写真を使ったブックレットがついています。 ただし木崎義二さんの解説が新しく加えられ、歌詞と水木マリさんによる対訳が載せられています。 9枚目は86年に発売された限定のモノラル盤。 |
ジャケットはかなり頑張ってオリジナルに近づけています。下部中央から右に斜めに伸びる建物のラインも復活 しました(笑)。 |
レコードは赤盤ですが、Odeonの赤盤とは盤質も色も違います。 レーベルはEMI/Odeonで、旗帯のものとは左上のマークが違っています。 ジャケット右上の「mono」のロゴの大きさを比べてみました。いちばん手前が国内限定モノラル盤、 中が5thプレス、いちばん奥が4thプレスで、それぞれ微妙に違っています。 アナログ盤の最後は、1986年にアメリカのMOBILE FIDELITY SOUND LAB社から出されたステレオ盤です。 |
ジャケット表・裏ともに上部に黄色い帯の部分があり「ORIGINAL MASTER RECORDING」と書かれています。 |
レーベルとレコードを保護するための厚紙の台紙。レーベルには「Pressed in Japan」の文字が見えます。
最後に1枚CDを紹介しておきます。
実はブート(海賊版)のモービル盤CD、紙ジャケです(笑)。
手軽に車の中でステレオ・ヴァージョンを聴くのにはもってこい。 びっくりしたのはレーベルです。なんと市販のレベラーみたいに上質紙にプリントしたものを貼っただけ。 チープだあ。 なお、長くなりすぎたのでサウンド・インプレッションについては
モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッションのページをご覧ください。 |
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