BEATLESのアナログ盤

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PLEASE PLEASE ME

リアル・タイムにビートルズを聴いてきた人間としては、『プリーズ・プリーズ・ミー』というアルバム はそんなに馴染み深いものではありません。

ぼくらにとってデビュー・アルバムとは『ビートルズ!』であり、「抱きしめたい」も「シー・ラヴズ・ユー」 も入ってないアルバムって、なんとなく存在感がありませんでした。
だから、初めて聴いたころ(70年代半ばごろ)は、地味なアルバムだなあと思ってましたね。
けれどもいつの間にか、気がついたら好きになってる、そんなアルバムです。
ライヴの熱気をそのまま封じ込めることを意図して、ジョージ・マーティンによって練り上げられた構成は、 彼らのデビュー・アルバムとしては最良のかたちにまとめられたのではないでしょうか。

A面1曲目におかれた「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」は、 当時のリヴァプールですでにいくつかのグループによってカヴァーされるほど人気のあった曲だそうですが、 「One,Two,Three,Four!」というポールの勢い込んだようなカウントは、ライヴを聴いているかのような錯覚を聞き手に与えます。
今聴くと何の違和感もないオープニングですが、ライヴ・レコーディングでもないアルバムが カウントから始まるというのは、たいへん斬新なアイディアだったのではないでしょうか。
つづいて、ジョン、ジョージ、リンゴと、メンバーそれぞれのヴォーカルをフューチャーした曲が並べられています。
これも当時のビートルズのステージを再現したものだといわれています。
プリーズ・プリーズ・ミー」「ラヴ・ミー・ドゥ」というふたつのシングルを真ん中に挟んで、 やや内省的な歌詞を持った「There's A Place」でいったんステージが終わり、 ジョンの熱唱「ツイスト・アンド・シャウト」はアンコールという位置づけではないかと思います。

では、まずUKオリジナル盤から紹介していきましょう。
オリジナルの1stプレスはモノラル盤が1963322日、レコード番号はPMC 1202、 ステレオ盤は約1か月半ほど遅い196358日のリリースで、 カタログ・ナンバーはPCS 3042となっています。

ビートルズのレコード研究はすごく進んでいるので、ぼくのような素人でも、自分の持っているレコードが 何番目のプレスかわかります(便利なような、哀しいような……)。

ご承知のように、このアルバムの1stプレスと2ndプレスは、レーベルが黒地に金色の文字でプリントされた ブラック & ゴールド・レーベル、通称「ゴールド・パーロフォン」と呼ばれるものです。
このレーベルの『プリーズ・プリーズ・ミー』はごくわずかな期間しかプレスされなかった(一説には10日、また別の説では 約半年ともいわれている)のですが、音がよいという評判でマニア垂涎の的になっています。

なにしろ市場に出回った数が極端に少ないので、なかなかきれいなものは見かけませんし、あったとしてもとんでもない値段が ついているので、ぼくが手に入れたものも当然あまりきれいなものではありません。
ここではフロント・カヴァーだけ紹介しておきます。


スリーヴ(ジャケット)はErnest J. Day社製で、表・右上の表示はラージ monoロゴ、 裏はフリップ・バックと呼ばれる三方から折り返しのあるタイプです。

ファーストとセカンド・プレスだけの特徴として、 写真家Angus McBeanのクレジットが右寄りになっているということがあります。
右の画像の下がオリジナルのプレス、上が4thプレスです。



それではレーベルです。



Side-1の「I Saw Her Standing There」、Side-2の「Do You Want To Know A Secret」など4曲のオリジナル曲の出版社名が 「Northern Songs Ltd」に変更になっている2ndプレスです。
マトリクスはXEX 421−1N / XEX 422−1Nで、、タックス・コードはSide-1に「MT」の 刻印があります。
マザー・ナンバースタンパー・コードはSide−1が「2 / GL」で2番目のマザー、 17番目のスタンパーから、 Side-2が「2 / GO」で2番目のマザー、 15番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
なお、タックス・コードおよびスタンパー・コードについては Yellow Parlophone Data Base 活用のための基礎知識をご参照ください。
ディスクの重さは170gです。

ではつづいて4thプレスのモノラル盤です。



3rdプレスからは黒地に黄色で「PARLOPHONE」と書かれた「イエロー & ブラック・レーベル」、 略して「イエロー・パーロフォン」と呼ばれるレーベルになります。
このあたりの細かな変遷については Yellow Parlophone Data Baseをご覧ください。

4thプレスもスリーヴは基本的に1stプレスと同じで、Ernest J. Day社製、表・右上の表示はラージ monoロゴ、 裏はフリップ・バックになっています。
レーベルはイエロー・パーロフォンに変更になり、リムのクレジットが「THE PARLOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプ、 スピンドル・ホールの上に「SOLD IN U.K.〜」というリマークがなく、 レーベル左側に「RECORDING FIRST PUBLISHED 1963」という表記あり、というのが特徴です。



タックス・コードは同じくMTで、プレスは1964年だと思われます。
マザー・ナンバースタンパー・コードはSide−1が「11 / RDM」で 11番目のマザー、204番目のスタンパーから、 Side-2が「3(または8) / RRG」で3(8?)番目のマザー、 221番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
盤の重量はこれも170g。
インナー・スリーヴは右上に筆記体で「Important」と書かれ、 中央左が「USE 'EMITEX'」で始まるおなじみのものですが、中央が透明なポリエチレン製です。

さて、つづいて5thプレスです。



具体的に4thプレスとの違いを見ていきましょう。
まずジャケットです。表・右上の表示はスモール monoロゴになり、 裏は同じようなフリップ・バックですが、製造会社の表記がGarrod & Lofthouse社になっています。
レーベルはイエロー・パーロフォンですが、リムのコピーは「THE GRAMOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプになっています。 スピンドル・ホールの上には「SOLD IN U.K.SUBJECT TO RESALE PRICE CONDITIONS,SEE PRICE LISTS」という セントラル・リマークがあり、レーベル左側の表記は「(P)1963」、という簡略化されたものになっています。
リムのクレジットが「THE GRAMOPHONE CO.LTD〜」で始まるようになるのは、ビートルズのアルバムでいえば65年8月リリースの 『ヘルプ!』からであり、レーベル左の表記が「(P)1963」のように略記されるようになるのも同アルバムからです。
英国内での再販価格に関するリマーク64年2月からレーベルにプリントされるようになりました。 こうしたさまざまなことから、このレコードはおそらく1965年ごろのプレスということになります。



マトリクスの枝番はこれも、-1N / -1Nで、タックス・コードはこれもMTで、 マザー・ナンバー/スタンパー・コード>はSide-1が「13 / ROO」で13番目のマザー、255番目のスタンパー、 Side-2が「3? 18? / RPH」で3枚目(または18枚目?)のマザー、 267番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
盤の重量は175gで、2ndや4thプレスとほぼ同じです。
USE 'EMITEX'」と書かれたインナー・スリーヴは中央が半透明なトレーシング・ペイパーで、後期のものです。



裏ジャケの右下にあるスリーヴの製作会社のクレジット。上がアーネスト社、下がギャロッド社製です。
よく見ると折り返しの角の部分の形状が違うのがわかります。
また、EJD社のスリーヴには「Patents pending」の表記がありません。

4枚目はオリジナルのステレオ盤です。



スリーヴはG&L社製で、スモールstereoロゴがついています。
バック・カヴァー右上の四角い枠で囲まれた注意書きはステレオ盤の再生に関するもので、1stプレスから記載されています。



リムのコピーは「THE GRAMOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプで、 スピンドル・ホールの上には「SOLD IN U.K.SUBJECT TO RESALE PRICE CONDITIONS,SEE PRICE LISTS」という セントラル・リマークがあります。
レーベル左の表記は「(P)1963」という簡略化されたもので、おそらく5thプレスだと思われます。
マトリクスはYEX 94−1N / YEX 95−1Nで、タックス・コードはSide-2にKTの刻印があります。
マザー・ナンバー/スタンパー・コードはSide−1が「1 / AP」で1番目のマザー、 36枚目のスタンパーから、 Side-2が「1 / AR」で1番目のマザー、 32枚目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
ディスクの重さは155gです。

つぎは、70年代後半にプレスされたステレオ盤です。



ジャケットの表はラミネート・コーティングされ、右上にはラージstereoロゴがついています。 裏はフリップ・バックではなくなり、右端にコーティングの折り返しがわずかに見られます。
レーベルは黒地に銀色の文字でプリントされたブラック & シルヴァー・レーベル、通称「シルヴァー・パーロフォン」で、 EMIのロゴマークが上下についている2EMIボックスド・ロゴと呼ばれるものです。
マトリクスはYEX 94−2 / YEX 95−2で、 マザー・ナンバー/スタンパー・コードはSide−1が「2 / RH」、 Side-2が「1 / GD」となっています。 リムのコピーは「EMI RECORDS〜」で始まる後期タイプ。盤の重量は140gで、いかにも薄っぺらな感触です。



Important Notice」と書かれたEMIのインナー・スリーヴに入っています。
レーベルがイエロー・パーロフォンからシルヴァー・パーロフォンに変更されるのは69年のことで、 翌70年ごろにはモノラル盤が廃盤になっています。
初期のシルヴァー・パーロフォンはレーベルのEMIロゴが1つしかなく、 リムのコピーも「THE GRAMOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプですが、70年には2EMIボックスド・ロゴになり、 74年からリムのクレジットが「EMI RECORDS〜」に変更になっています。

2種類のステレオ盤を較べてみましょう。



ロゴの大きさにかなりの違いがあります。

さて、つづいては国内盤です。
わが国で『PLEASE PLEASE ME』が始めて紹介されたのは、1965年に彼らが来日したときで、 来日記念盤として発売されました。
そのときのタイトルは『ステレオ!これがビートルズ Vol.1』というもので、 しかも帯には「BEST!」と書いてありましたから、 ぼくはてっきり初期のヒット曲のステレオ音源を集めたコンピレーションだと思っていて、 まったく興味がありませんでした。

まずはオリジナルのOdeonレーベル、OP・7548
ジャケットは美しいヴィニール・コーティングの施された、いわゆるペラジャケと呼ばれるもので、 ゲイトフォールド・スリーヴ。



中には4人のそれぞれのポートレイトと歌詞の印刷された豪華なブックレットが綴じこまれていて、 4人が純然たるアイドルとして扱われていたことがよくわかります。





広告入りのインナー・スリーヴに、赤盤です(黒盤も存在します)。

つづいて2ndプレスになるApple盤AP-8675。69年のプレスだと思われます。



この赤帯は下端がAppleになっている以外、1stプレスと同じデザインです。ジャケットはやや厚手になり、 ヴィニール・コーティングではなくなります。



オデオン盤はコーティング・スリーヴの美しさが目立ちます。



表ジャケを1枚めくったところ。厚みの違いが画像でおわかりになるでしょうか。



背表紙を見ると、ずいぶん厚みが違います。
タイトルのフォントも違います。ぼくはオリジナルのオデオン盤の字体のほうが好きだなあ。



1stプレスと同じブック・レットが綴じこまれています。



おなじみのアップル・レーベルですが、曲順がまったく違うので違和感があります(笑)。 アップルの黒いインナーに入っています。

8枚目に紹介するのは、76年になって初めてオリジナル・ジャケット、 オリジナルの曲順で復刻された『PPM』です。
レコード番号はEAS-80550で、リリースは1976年6月5日、 一般に旗帯とか国旗帯とか呼ばれる帯がついています。



せっかくオリジナル・ジャケットになったのに、コーティングのない厚紙製の、USタイプのジャケットになってしまいました。
フロント・カヴァーの写真はかなり粗悪なもので、オリジナルに比べると寒色系が強く緑色っぽく見えます。
オリジナルを加工して使っているので、ジャケット下部中央から右に斜めに伸びる建物のラインは消されています!



左がオリジナル盤、右側が東芝EMI盤です。

Angus McBean」のクレジットは入れ直したもの。
なぜ、こんなことをしたのでしょうか。
ひとつ考えられるのは、オリジナル・ジャケットの右下隅の建物の影が 印刷の汚れのように見えるのを嫌ったということです。ぼくの勝手な推量ですから根拠はありませんけれど…。



アップル・レーベルの黒盤でステレオ音源、中には同じ写真を使ったブックレットがついています。



ただし木崎義二さんの解説が新しく加えられ、歌詞と水木マリさんによる対訳が載せられています。

9枚目は86年に発売された限定のモノラル盤
本国イギリスでは、1981年にイエロー・パーロフォン・レーベルを復刻したモノラル盤が限定で出され、日本で も同仕様のものが発売されましたが、それが好評だったため再発されたものです。
レコード番号はEAS-701301986年6月4日のリリースです。 帯には来日20周年記念と書いてありますが、こじつけ…(笑)。



ジャケットはかなり頑張ってオリジナルに近づけています。下部中央から右に斜めに伸びる建物のラインも復活 しました(笑)。



レコードは赤盤ですが、Odeonの赤盤とは盤質も色も違います。
ビートルズ・シネ・クラブ サウンド研究会の解説と、歌詞・対訳がついています。



レーベルはEMI/Odeonで、旗帯のものとは左上のマークが違っています。



ジャケット右上の「mono」のロゴの大きさを比べてみました。いちばん手前が国内限定モノラル盤、 中が5thプレス、いちばん奥が4thプレスで、それぞれ微妙に違っています。

アナログ盤の最後は、1986年にアメリカのMOBILE FIDELITY SOUND LAB社から出されたステレオ盤です。
モービル盤は、米キャピトルと契約を結んで、英国EMIが厳重に保管しているオリジナル・マスター・テープ を用い、ハーフ・スピードでカッティングされ、日本のJVCで、100%ヴァージン・ヴィニールにプレスさ れた高音質レコード、というのが謳い文句です。



ジャケット表・裏ともに上部に黄色い帯の部分があり「ORIGINAL MASTER RECORDING」と書かれています。
なぜか裏ジャケは黒地に白の文字で印刷されています。
最下部のクレジットを読んでみましょう。「Half-Speed Production and Mastering by Original Masteringworks・Specially Plated and Pressed On High Definition Vinyl by Victor Company of Japan Ltd.・Special Static Free-Dest Free Inner Sleeve ・Special Heavy Duty Protective Packaging ・Source:The Original Stereo Master Tape ・Mastered With The Ortofon Cutting System」というようなことが書かれています。



レーベルとレコードを保護するための厚紙の台紙。レーベルには「Pressed in Japan」の文字が見えます。

最後に1枚CDを紹介しておきます。
実はブート(海賊版)のモービル盤CD紙ジャケです(笑)。



手軽に車の中でステレオ・ヴァージョンを聴くのにはもってこい。 びっくりしたのはレーベルです。なんと市販のレベラーみたいに上質紙にプリントしたものを貼っただけ。 チープだあ。

なお、長くなりすぎたのでサウンド・インプレッションについては モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッションのページをご覧ください。
モノラルについてははオリジナルUK盤のゴールド・パーロフォンと4thプレス、それに国内限定モノラル盤、 ステレオについてはオリジナル・イエロー・パーロフォンと再発のシルヴァー・パーロフォン、それにモービル盤という、 6枚の比較試聴を行っています。


© 2004-5 ryo parlophone


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