BEATLESのアナログ盤

トップ・ページに戻る



前回で一応ビートルズの活動中にリアル・タイムにリリースされたオリジナル・アルバムが終わりました。
これからは、ぼくの持っているアナログ盤をアト・ランダムに紹介していきたいと思います。

今回はUS 2ndアルバム、その名も『THE BEATLES' SECOND ALBUM』です。
まずはじめにお断りしておかなければならないのですが、ぼくはUS盤に関してはあまり多くのことを知りませんし、 レコードもまだコレクションの途中で、あまり大したものは持っていません。
他のアルバムでも、 明らかにミックスの違う「ぼくが泣く」や、フォルス・スタートの「I'm Looking Through You」、 逆回転ギターの入り方の異なる「I'm Only Sleeping」など、音源の違いはすごく気になるところですが、 あとはもっぱらUK盤や国内盤とのジャケットの違いや選曲のおもしろさなどを楽しんでいるといった程度です。
キャピトル独自のマスタリングは曲によってはすばらしい迫力を生み出していると思う反面、 擬似ステレオや、それをごまかすため(?)の過度のエコー処理、ステレオ音源をそのままモノラル化したものなど、 クオリティー的には首を捻りたくなるようなものもあると思っています。
ということで、内容的にはかなり不十分なレポートになることをあらかじめご了承ください(笑)。

ではさっそく画像を見ていただきましょう。
まずはオリジナル・モノラル盤です。




リリースは1964410日。レコード番号はモノラル盤がT 2080、 ステレオ盤はST 2080になります。
キャピトルからのファースト・アルバム『MEET THE BEATLES!』がこの年の1月20日リリースでしたから、 わずか3か月後にアメリカのファンの前に登場したわけですね。
ちなみに64年4月というと、ファンの方ならご存知のようにアメリカで未曾有のビートルズ・ブームが巻き起こっていたさなかで、 4月4日付『ビルボード』誌ではチャートの1位から5位までを独占、 (1位「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、2位「ツイスト・アンド・シャウト」、3位「シー・ラヴズ・ユー」、 4位「抱きしめたい」、5位「プリーズ・プリーズ・ミー」)、 翌週の4月11日には計14曲をホット100にチャート・インさせるという離れ業をやってのけていた時期です。

タイトルのすぐ下に「ELECTRIFYING BIG-BEAT PERFORMANCES BY ENGLAND'S Paul McCartney, John Lennon, George Harrison and Ringo Starr」と書いてあって、右側には「featuring SHE LOVES YOU and ROLL OVER BEETHOVEN」 と書いてありますし、Side-2のトップにはイギリスでEPとしてリリースされることになっていた「のっぽのサリー」を (発売の2か月も前!に)持ってきていますから、 ビートの効いたロックン・ロール・バンドとしての側面を最大限に打ち出したセールス展開だったことがわかります。

コーティングのない厚紙製のスリーヴで、バック・カヴァーの紙を表で折り返し、その上にフロント・カヴァー用のスリックを貼り付ける、 フロント・シールデッド・カヴァーと呼ばれるタイプのジャケットです。



ぼくはこのジャケット、好きですね。なんだか音が聞こえてきそうなジャケットだと思いませんか。
とくにフロント・カヴァーのコラージュ、写真の切り取り方や、モノクロの写真だけを使ったレイアウトの仕方などは、 リード・マイルスのブルー・ノートのジャケットを思わせます。
デザイナーのクレジットはありませんが、「All Photos / Joe Covello / Black Star」の表記が バック・カヴァー左下のジョージ・マーティンの下にあります。
USキャピトル盤でおなじみのレコードの広告は『ミート・ザ・ビートルズ』だけになっています。



レーベルはいわゆるレインボウ・キャピトルと呼ばれるもので、マトリクス関係はSide-1が T1 2080 T3、 Side-2 が T2 2080 T 13で、それ以外の記号がありません。




スピンドル・ホールのまわりにあるミゾの大きさから、これはデッカ・レコードでの委託プレスだと思うのですが、 Side-1にはさらに同心円状の大きなミゾが刻まれています。Side-2にはそれがありません。
なかなか不思議なレーベルだと思います。
どなたか何かご存知のことがあれば、ぜひ情報をお寄せいただきたいと思います。

なお、オリジナル・ファースト・プレスは、Side-2の1曲目「Long Tall Sally」と 2曲目「I Call Your Name」に時間表示がないようですから、ぼくが持っているものは1stプレスではありません。

インナーバッグです。




『ミート・ザ・ビートルズ』についていたものと同じタイプの64年ごろのカンパニー・スリーヴで、 片方にはペギー・リーやビーチ・ボーイズのジャケット写真と、「DUOTONE」というクリーニング・クロスの広告、 もう一方にはフランク・シナトラやレターメン、ボビー・ダーリンなどのスターのジャケット写真が記載されています。

インナーバッグの左下にあるクレジットは12 TC-I ですが、これが何を意味するのかわかりません。
これも情報をお待ちしております。
裏ジャケ右下のファクトリー・ナンバーは記載がありません。



つづいて再発のステレオ盤です。




フロント・カヴァーの右上部、カタログ・ナンバーに並ぶ黒い丸はモノラル盤と同じもので、まだ二つに分かれていません。
その左にあるクレジットは「File UnderThe Beatles ・Pop Rock, Vocal Group」 となっています。
これが後期のアルバムになると「File UnderThe Beatles」になり、ブートレグのタイトルになったりしました。





フロント・カヴァー左上のマークは、100万枚以上売れたアルバムに与えられる RIAA(全米レコード工業会)認定の「GOLD RECORD AWARD」マークで、 70年代にプレスされた再発盤にはほとんどのものにこのマークがついています。
右はバック・カヴァー右下のファクトリー・ナンバーで、ぼくのものは12になっています。

レーベルはアップルで、Side-1のみ「MFD. BY APPLE RECORDS, INC.」のクレジットがあります。
1971年から1975年にかけて使用されたレーベルです。




Side-2の「Long Tall Sally」の作者名のところにも番号が打ってあるので、「1、2、2、3…」と なっています。
マトリクスはSide-1がST-1-2080-W6、Side-2がST-2-2080-W8で、いずれもフリーハンドで彫られています。
アルファベットのYの字の上を閉じた、アンテナのようなマークがあるので、ヴァージニア州ウィンチェスター工場プレスです。

インナーは白いプレーンなもので、70年代のアップル・レーベルはこれがオリジナルのようです。

つづいて同名タイトルでリリースされた国内盤をご覧ください。




レコード番号はOR 7058で、6465日のリリース、邦題は『ビートルズ 2!』となっています。
ジャケットもタイトルもUS盤『THE BEATLES' SECOND ALBUM』にそっくりですが、日本独自の編集盤で、収録曲もかなり違います。
スリーヴは表裏ともヴィニール・コーティングの施された、いわゆるペラ・ジャケと呼ばれるタイプで、 裏側は上下に折り返し部分があるフリップ・バックになっています。
バック・カヴァーのデザインはUS盤とはまったく違っていて、あまりセンスが感じられません。
いかにもアイドル然としたポートレイトはUS・シングル盤「抱きしめたい」などのピクチャー・スリーヴでおなじみのものです。

初期の国内編集盤『ビートルズ!』と『ビートルズ 2!(本作)』はモノラル盤のみの発売で、 音源も、たとえば「プリーズ・プリーズ・ミー」はジョンが笑わないモノラル・ミックスなのですが、 B-6マネー」はイントロ2小節目からギターが乱入してくる(笑)ステレオ・ヴァージョンが使われています。
モノラル・ミックスしかなかったシングル・ヴァージョンにあわせて、ほかのスレレオ・ヴァージョンもすべてモノラル化して 収録したようですが、ぼくはこのギター乱入ヴァージョンのほうが好きなので、よしとしましょう。




レコードはエヴァー・クリーン・シリーズの赤盤で「Red Wax」などと呼ばれることもあります。レーベル下部に 「LONG PLAYING」表記がありませんので、2ndプレスということになります。
インナーは広告入りで、これも2ndプレス、1stプレスはフラップつきの白いプレーンなインナーだったようです。



歌詞カード。上のほうにメンバー紹介があります。
なんとなくハリウッドの青春映画のエンド・ロールのところに出てくる卒業アルバムの写真みたいだと思いませんか(笑)。

US盤と国内盤のジャケットを比べてみましょう。



曲名やレーベルのロゴが違います。



微妙な色のやフォントの違い、ジャケットの質感の違いなどを感じ取っていただけるでしょうか。



USステレオ盤は、曲のタイトルがモスグリーンっぽい色になっています。

なお、この国内編集盤とは別に、アメリカ盤『SECOND ALBUM』の国内盤が70年にリリースされています。
この2種類のアルバムは、とてもよく似ているので注意が必要です。
ぼくは持っていないので画像を載せることができませんが、 MASAさんのサイトROLLING BEAT BOYSに、US盤についての詳しい解説などとともに紹介してありますので、あわせてご覧いただければ幸いです。

では最後に、当時のアメリカ編集盤や日本編集盤がUKオリジナル盤とどういう関係にあるのか、 表を作ってみました。なにかのご参考になれば幸いです。

UK albumtitleMEET
THE
BEATLES
(US)
(64/01/20)
SECOND
ALBUM
(US)
(64/04/10)
THE
EARLY
BEATLES
(65/03/22)
MEET
THE
BEATLES
(JPN)
(64/04/05)
SECOND
ALBUM
(JPN)
(64/06/05)
PLEASE
PLEASE
ME
(63/03/22)
I Saw Her Standing There---
Misery----
Anna (Go to Him)----
Chains----
Boys---
Ask Me Why----
Please Please Me---
Love Me Do---
P.S. I Love You---
Baby It's You---
Do You Want to Know A Secret---
A Taste of Honey---
There's A Place----
Twist And Shout---
UK single
(63/04/12)
From Me to You----
Thank You Girl---
UK single
(63/08/23)
She Loves You---
I'll Get You----
with
the
beatles
(63/11/22)
It Won't Be Long---
All I've Got to Do----
All My Loving---
Don't Bother Me---
Little Child---
Till There Was You---
Please Mr. Postman---
Roll Over Beethoven---
Hold Me Tight---
You Really Got A Hold on Me----
I Wanna Be Your Man---
Devil in Her Heart---
Not A Second Time---
Money---
UK single
(63/11/29)
I Want to Hold Your Hand---
This Boy----
UK single
(64/03/20)
Can't Buy Me Love----
You Can't Do That----
UK EP
(64/06/19)
Long Tall Sally----
I Call Your Name----
Slow Down-----
Matchbox-----



special thanks to MASA
© 2004-5 ryo_parlophone




BEATLESのアナログ盤 メイン・ページに戻る

トップ・ページに戻る




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送