MUSIC & MOVIES> BEATLESのアナログ盤> 『ホワイト・アルバム』> The BEATLES(US)



US盤は英国より3日遅れの1968年11月25日にリリースされています。
レコード番号はSWBO-101
まず1stプレスをご覧ください。




UK盤と同じように限定のシリアル・ナンバーが刻印された真っ白なジャケットですが、 例によってヴィニール・コーティングはありません。
レコードの取り出し口も通常のサイド・オープニングです。
バック・カヴァーの右上には小さくStereoの表記があります。
US盤はこのアルバムからモノラル盤が発売されずステレオ盤だけのリリースになりました。




レーベルはこれもUS盤としては初のアップル・レーベル。
UKアップルとはデザインが違い、初期のものはSide-1、Side-3にはリム回りにクレジットがなく、 Side-2とSide-4のクレジット部分にキャピトルのロゴが入っています。

マトリクス関係は手書きで、Side-1から順に、SWBO 1-101-J 46 11、SWBO 2-101-J 46 11 #3、 SWBO 3-101-J 56、SWBO 4-101-J 44 #2、三角形のなかにIAMと書いたマークがあるので、 東海岸スクラントン工場のプレスです。

なおごく初期のものはSide-1とSide-4のレーベル上の曲名表記が異なっていて、
OB-LA-DI,OB-LA-DA」が「OBLADI OBLADA」に、
THE CONTINUING STORY OF BUNGALOW BILL」が「BUNGALOW BILL」に、
REVOLUTION 1」が「REVOLUTION 1」に、
REVOLUTION 9」は「REVOLUTION 9」に、
そして「GOOD NIGHT」が「GOODNIGHT」なっているということですが、 ぼくは実物を見たことはありません。




インナーもUKアップルのようなブラック・インナーではなく、白いプレーンなものがオリジナルのようです。 右側はUK盤です。



薄くニス塗りがされているようで、斜めから見ると光を反射して綺麗です。
The BEATLESのロゴはエンボス加工されています。
いつもながらのフロント・シールデッド・カヴァーなので、スリックの上端と下端が露出しています。
シリアル・ナンバーは、

  • プリフィクスがなく数字だけが並んだもの
  • 黒いドットの後に数字が並んでいるもの
  • プリフィクスAで始まるもの
  • プリフィクスで始まるもの
など、細かく分類すると7種類ほどあるようですが、ぼくの持っているものはAで始まるものです。

UK盤と同じように歌詞の印刷されたポスターと、4人のポートレイトがついています。

つづいて再発盤です。




シリアル・ナンバーのない、1970年以降のものです。




レーベルはSide-1とSide-3のいちばん下にMFD. BY APPLE RECORDS, INCというクレジットのある 1971年6月以降のアップル・レーベルで、3rdプレスだと思われます。
おそらく1970年に短期間だけSide-2とSide-4にMFD. BY APPLE RECORDS, INCクレジットの入ったアップル・ レーベルのものがリリースされていて、それが2ndプレスではないかと思います。

マトリクス関係は手書きで、Side-1から順に、SWBO-1-101-J 76、SWBO-2-101-A70 #6、 SWBO-3-101-A75 #2、SWBO-4-101-A68 #3、さらにSide-1だけに手書きでJMのイニシャルと MASTERD BY CAPITOLの刻印があります。
Yの字を上を閉じたアンテナのようなマークがあるので、ヴァージニア州ウィンチェスター工場のプレスです。



やはり簡易コーティングされています。
The BEATLESのロゴもエンボス加工されています。
フロント・シールデッド・カヴァーではなくなったので、スリックの上端と下端が切れていません。

もう1枚ご覧ください。




こちらはおそらく4thプレス。




レーベル下部のリム回りに「ALL RIGHTS RESERVED」で始まるクレジットの入ったもので、 1975年の9月から12月というわずかな期間にプレスされたものです。



マトリクス関係は手書きで、Side-1から順に、SWBO-1-101-F-80、SWBO-2-101-G-76、 SWBO-3-101-J-85、SWBO-4-101-G-75、またそれとは別に、それぞれの面には機械打ちで 3321という数字の刻印もあります。
さらにSide-1以外にはMASTERD BY CAPITOLの刻印があります。
アスタリスクのようなマークがあるので、西海岸ロサンゼルス工場のプレスです。



やはり簡易コーティングはされていますが、The BEATLESのロゴは印刷されたものです。

US盤の4枚目は78年8月にリリースされたカラー・レコードです。 レコード番号はSEBX-11841



ジャケットはコーティングがなく、シリアル・ナンバーもありません。
The BEATLESのロゴもプリントされたもので、4thプレスより色が濃くなっています。
バック・カヴァー右上のStereo表記もなくなっています。






限定のホワイト・カラー・レコードで、レーベルはパープル・キャピトル
やはり白いプレーンなインナーに入っています。
ふだんレコードのホコリは白いものだと思っていたのですが、 ホワイト・レコードの上で見ると実は黒いものだったということがわかります。
これが実に気持ち悪い(笑)。
カラー・レコードの宿命なのか、音もあまりよくないので、ターンテーブルに載せることは ほとんどありません。

マトリクス関係は手書きで、Side-1から順に、SEBX-1-11841-J6 ML#1、SEBX-2-11841-G1 #2、 SEBX-3-11841-G1 #1、SEBX-1-11841-G1 #3、さらにSide-1を除く3面には手書きでERTのイニシャル、 そしてすべての面にMASTERD BY CAPITOLの刻印があります。
( )のようなマークがあるので、イリノイ州ジャクソンヴィル工場のプレスです。

ではもう少し細かい違いを見ていきましょう。 まず、ゲイトフォールドの内側、曲目とレコード番号が記載された部分です。




左が1stプレス、文字の色はグレーです。
フロント・シールデッドなので下に切れ目がありません。
右は3rdプレス、バック・シールデッドなので下にスリックの切れ目があります。
文字の色はブラックになっていて、「© Apple Records, Inc.」というクレジットが入っています。

ホワイト・カラー・レコードのものは文字の色がグレーで、 EMIのマークとキャピトルのロゴ、そのほか権利関係のクレジットが記載されています。



つぎにポスターを見てみましょう。



左が1stプレスに付属のもので、光沢のある上質紙に印刷されています。
右は4thプレスのもので、紙質が光沢のないものに替えられています。

裏側、歌詞の印刷された方の右下のクレジット部分です。

これはUKオリジナル盤のもの。
Garrod and Lofthouse International Ltd.というクレジットが入っています。

US盤のクレジット。




左が1stで、右は3rdです。
出版関係のクレジットが左は「Apple Records」に、 右のものは「1968 Apple Music Publishing Co., Inc.」になっています。

78年のカラー・レコードに付属していたものは、さらに「The Gramophone Co.Ltd.」 以下のクレジットがなくなっています。

つぎにUS盤におけるポスターの修正を見ておきましょう。
まずリリース当時、とくに女性のファンの間で騒然となったポールのヌード写真の部分です。




左はUK版で、右のUS版ではヘアの部分が消されています。

もう1か所はジョンが書いたイラスト。
おなじくUS版では、ヨーコのヘアとジョンのペニスが修正されています。




もう一つの付属品、4人のポートレイトですが、USオリジナル盤についているものはUK盤のもの同様、 紙質も厚めで光沢のあるプリント。
右側は4thプレスのもので、紙質も薄くなり、光沢もありません。



左下のクレジット部分ですが、4thプレスでは「© Apple Records, Inc.」 というクレジットがなくなり、PRINTED IN U.S.A.」と書いた円形のマークだけになっています。



78年版カラー・レコードに付属しているものにはレコード番号が記載されていますが、 そこに1〜4までの数字が加えられています。
おもしろいことにポールが1、リンゴが2、ジョージが3で、ジョンは4になっています。



各国版におけるポートレイト違いをちょっと見ておきましょう。




左からUK版、US版、国内版です。色調もそれぞれ微妙に違っています。
紙質はどれもよく似ていますが、US盤が最も小さく国内盤は余白が大きくとってあります。

US盤の最後は85年9月にリリースされたモービル・フィディリティ盤です。
なぜかこのレコードには買ったときからシュリンクがついていました。
ひょっとしたら87年3月にリリースされた英国輸出用プレスかもしれません。
レコード番号はMFSL 2-072




コーティング・スリーヴではなくエンボス・ロゴでもありません。シリアルもついていません。
フロント、バックいずれも上部にORIGINAL MASTER RECORDINGTM というおなじみの文字がグレーでプリントされています。




レーベルはおなじみのものですが、右側のマークがキャピトルになっています。
ポートレイトもポスターも付属しておらず、レコードを保護する厚紙に歌詞が印刷されています。

さて、ずいぶん長くなりましたが最後に今回のおまけ。
ありふれたものですが、98年に発売30周年を記念してリリースされた紙ジャケCDです。




30th Anniversary」とプリントされたプラスティック・カヴァーつきで、ちゃんとエンボス加工、 ちゃんとシリアル・ナンバー入りです。



オリジナルのトップ・オープニングと、内側にはややバランスは悪いもののフリップ・バックの折り返しを再現した こだわりの紙ジャケで、こういうものが英国EMIから出されたことが驚きでした。




インナーもアナログ盤を思わせるもの(レーベルの真ん中にスピンドル・ホールがないのは違和感ありまくりですが)、 歌詞を印刷したポスターと4人のポートレイトも完璧に再現しています。

偉い!!

なお、各レコードの音質評価については モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッション をご覧ください。

最後に、UK再発盤のシリアル・ナンバーについてはMASAさんに、 US盤1stプレスについてはpink islandさんにご教示をいただきました。
ありがとうございました。
なおpink islandさん主催のブログ pink island records には、US盤のシリアル・ナンバーのいくつかのヴァリエーションや、 アーリー・プレスにだけ見られるSide-4のレーベルの曲目表示違いの画像が紹介されています。
ぜひ、ご覧ください。





© 2004-5 ryo_parlophone




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