BEATLESのアナログ盤

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with the beatles

大好きです、このアルバム!
1曲目の「It Won't Be Long」から気合入りまくってます!
レコードに針を落とすと一瞬の静寂の中からいきなり、ジョンの「It Won't Be Long,Yeah!」というシャウトと、 掛け合いで入ってくるコーラス。ゾクゾクしますねえ(笑)。

哀愁の漂う「Not A Second Time」や、 ポールのメロディー・メイカーとしての資質がいかんなく発揮された「オール・マイ・ラヴィング」など、 オリジナルがすばらしいのはもちろんですが、カヴァー曲の質が高いことも特筆すべき点だと思います。
プリーズ・ミスター・ポストマン」の次第に熱を帯びてゆくヴォーカルとコーラスの盛り上がりや、 「マネー」におけるジョンのヴォーカルの黒さ、 そして「Till There Was You」のポールの軽やかさ。 ジョージとジョンは(おそらくポールも一緒に)何度も何度も ラジオから流れてくるこの曲に耳を傾け、ギターのパートを組み立てていったんですね。
ボサノヴァ風のリズムこそ、パティ・ペイジのヴァージョンがお手本でしょうが、 どう聴いても甘いだけのポップ・ソングが、こんな洗練されたバンド・サウンドに昇華されるんですから、やっぱりスゴイ! 19やそこらで、こんな雰囲気のあるギター・アレンジなんて、そうそうできるもんじゃないと思う。
ビートルズって演奏下手だから…、っていうやつに聴かせてやりたいですね。

もうひとつ、このアルバムで素晴らしいのがジャケット。
一般にはビートルズがジャケットにも主張を入れ始めたのは『ラバー・ソウル』から、といわれていますが、 もともとジョンステュアート・サトクリフも、ハンブルグで親しくなったアストリッド・キルヒャークラウス・フォアマンも、 みんな美術学校の学生なのですから、ジャケットの写真に自分たちの嗜好を反映させたいと考えないはずがありません。
ハーフ・シャドウと呼ばれる手法で撮られた、ステュやアストリッドの美しい写真があり、 そのアイディアをもとにロバート・フリーマンが撮影したといわれています。

タイトル・ロゴの小ささも、63年という時代を考えれば、よくレコード会社がOKしたなあと思います。
このアルバムが成功したからこそ、翌64年にデッカから出されたストーンズのファースト・アルバムの この渋いジャケットもありえたのではないでしょうか。




さて、能書きはこれくらいにして(笑)、さっそくレコードの紹介にいきましょう。

まず、UKオリジナルイエロー・パーロフォン盤です。



スリーヴは表にヴィニール・コーティングが施され、裏は三方に折り返しのあるフリップ・バックで、 フロント・カヴァー左上のパーロフォン・ロゴは『PPM』が赤地であったのに対して、黒地になりました。
右上にmonoラージ・ロゴがあります。
ぼくが持っているものはGarrod & Lofthouse社製ですが、Ernest J.Day社製もあるようです。
レーベルのリムのコピーは「THE PARLOPHONE CO.LTD〜」で始まるタイプで、 スピンドル・ホールの上に「SOLD IN U.K.〜」というリマークはありません。 レーベル左側にRECORDING FIRST PUBLISHED 1963という表記があります。



『PPM』のマトリクスが、6thプレスでさえ枝番が−1だったのに比べると、 この『with〜』はどんどん枝番が大きくなっていったようです。
マトリクス-1はご承知のようにラウド・カットと呼ばれ、 63年11月発売当初のごく少数のプレスながら音がいいことで人気があります。
ご覧いただいているのは、、 Side-2、7曲目の「Money」の出版社名が「Jobete Mus.」になっている1stプレスで、 Side-1に入ったタックス・コードが「MKT」という比較的珍しいものです。
マトリクスはXEX447-1N、XEX448-1Nで、マザーおよびスタンパーはSide-1が「2/H」、 Side-2が「1/R」となっています。
これは1面が2番目のマザー、7番目のスタンパーを使用し、2面は1枚目のマザー、 2枚目のスタンパーによってプレスされたことを表しています。
ディスクの重量は155g。



この最後の数字が1かそれ以外かで音が全然違うなんてことをみんなが知っているのですから、 ビートルズ・ファンの探究心というのはすごいものです。

2ndプレス以降はレーベルの「Money」の出版社名が「Dominion」になります。 ここに掲載したのは、XEX447-5N、XEX448-5Nという、おそらくは4thプレス。



これにも「SOLD IN U.K.〜」というリマークはありません。
タックス・コードはSide-2に「KT」の刻印。
マザー・ナンバーとスタンパー・コードはSide-1が「5/AP」で5番目のマザーで36番目のスタンパー、 Side-2が「4/OM」で4番目のマザー、54番目のスタンパーからプレスされたことを表しています。
ディスクの重量は165g。
B面3曲目の表記に2種類あることはご存知だと思いますが、1stプレスはジャケット、レーベルとも「GOTTA」表記、 4thプレスのほうはジャケットは「GOTTA」のままで、レーベルは「GOT A」に変更になっています。

インナー・バッグはファーストも4thプレスも「USE 'EMITEX'」と書かれたおなじみのものです。

次はおそらく7thプレスであろう−7N盤。



ここに掲載したものはジャケットがErnest J.Day社製で、 フリップバックの折り返しの幅も形状もGarrod & Lofthouse社製とは異なります。
この折り返しの部分の弱さがアーネストの欠点で、このスリーヴでもしわが目立ちます。



さらにフロント・カヴァーのmonoロゴの位置が異なっています。



上がギャロッド、下がアーネストです。



最後の「O」からジャケット端までの距離にはずいぶん差があります。

バック・カヴァーのB面3曲目の表記はここにきてやっと「GOT A」に統一されますが、 いかにも「A」を1個消しましたというレイアウトは笑わせてくれます。



レーベルは4thプレス以降は変化がないようです。



このレーベルにもリマークがありませんから、64年の初頭ごろのプレスだと思われます。
タックス・コードはレーベルにもディスクにも刻印されていません
マザー/スタンパーはA面が3/GH、B面が4/MLで、ディスクの重量は155gです。


ぼくは4枚のオリジナル・モノラル盤を持っていますが、インナー・バッグには2種類あるようです。 すべて中央の窓の部分が透明なポリエチレン製の「EMITEX」で、 左下に「PATENTS APPLIED FOR」のクレジットがありますが、 そのうち3枚は、右下の表記が「MADE IN GREAT BRITAIN」、残りの1枚は「MADE IN ENGLAND」になっています。

つづいては、シルヴァー・パーロフォンのステレオ盤です。



ジャケットはヴィニール・コーティングされたフリップ・バックで、オリジナルと同じ仕様ですが、 表ジャケットに「stereo」の表記のないタイプ。
スリーヴはGarrod & Lofthouse社製です。



イエロー・パーロフォンからシルヴァー・パーロフォンに変更されるのは69年のことですが、 EMIのロゴが下部に1つしかない、通称1EMIマーク(1EMI Boxed Logo)と呼ばれるレーベルは、この年だけのようです。
マトリクスはYEX110-2、YEX111-2、マザー・ナンバーとスタンパー・コードはA面が「4/OT」、 B面が「25/OM」。
ステレオ盤はやはり需要が少なかったのか、69年でもマトリクスの枝番が-2です。なんとなく得した気分(笑)。
B面のマザー番号がA面に比べて極端に大きいのは何か理由があるのでしょうか。
インナー・スリーヴは広告入りで、ディスクの重量は150gです。

もう1枚、シルヴァー・パーロフォンのステレオ盤をご紹介しましょう。



今度は70年代後半にプレスされたもので、コーティング・ジャケットですが、裏の折り返しはなく、 表にはstereoのラージ・ロゴがあります。
スリーヴはGarrod & Lofthouse社製だと思うのですが、クレジットがありません。



レーベルはEMIのロゴが上下に2つあるタイプ(通称2EMIマークス)。 リムのコピーが「EMI RECORDS〜」で始まる後期タイプです。
マトリクスはYEX110-2、YEX111-3。マザー番号はSide-1が36?、Side-2には刻印がありません。
ディスクの重量は130g。
インナーは白のプレーンなものがついていましたが、オリジナルではないと思います。

さて、余談ですが、ぼくが以前からとても気になっていたことがあるんです。
この2マークスの再発盤なんですが、表ジャケのリンゴの首元右下に、なんか リングのようなものが写っています。
写真の汚れとか、コーティングの浮き、ハガレのようなものではありません。
いったいこれは何?


左がオリジナル、中が2マークスの再発盤、右がそのリンゴのリング(?)の拡大写真です。

つづいて国内盤です。
『with〜』は1965年に、来日記念盤として『PPM』と合わせて発売されたのが最初で、 タイトルも『ステレオ!これがビートルズ Vol.2』という、ステレオ音源を売りにしたものでした。
レーベルはOdeon、レコード番号はOP・7549で、ヴィニール・コーティングのペラジャケですが、 『PPM』ほどは売れなかったのでしょうか、あまり程度のいいものはお目にかかりません。



ディスクは当時レギュラーだった赤盤ですが、ごく少数黒盤も流通したようです。
インナーはアド・スリーヴで、『ヘルプ!』が載っています。



『Vol.1』と同じように、アイドル然としたポートレイトと歌詞の印刷された豪華ブックレットが綴じこまれていますが、 『Vol.1』が一人一人の
写真だったのに『Vol.2』ではグループの写真になっています。



7枚めはレーベルがアップルになってからの再発盤です。レコード番号はAP-8678で、おそらく69年の リリースだと思います。



この赤い帯はオデオン盤と基本的には同じものなので、この「BEST!」という表記を見て ベスト物のコンピレーションだと思い込んだ人が
当時は多かったのではないでしょうか。
綴じ込まれた写真集もそういった雰囲気を醸し出しています。



ヴィニール・コーティングはなくなりましたが、厚手の紙にニス塗りのスリーヴで、なかなか美しいものです。



ディスクは当時としては珍しい赤盤。



アップルのマークは黒盤に比べるとしっかりと色が載っています。



インナー・バッグはおなじみアップルのブラック・インナーです。

つづいてご紹介するのは、76年リリースのオリジナル・ジャケット復刻盤です。



旗帯つきで、レコード番号はEAS-80551
コーティングのない厚紙ジャケットで、フロント・カヴァーの写真もお世辞にも高品位とは呼べないもので、 顔のシャドウ部分はつぶれてしまってます。 おかげでなんとなく「お尋ね者」って感じです(笑)。

なぜかこんなものまで、ぼくは2枚持っているのですが(表現が悪くてすみません)、 1枚は帯の裏にあるはずの広告がありません。...1stプレスなのかな(笑)。



ディスクはアップル・レーベルの黒盤でステレオ音源、『ステレオ!これがビートルズ Vol.2』 についていたのと同じ写真を使った豪華ブックレットつきですが、さらに平田良子さんによる解説と対訳がついています。



この平田さんの解説は、コンパクトにまとまっていてポイントを押さえたとてもいい解説だと思います。



9枚めは86年に発売された限定のモノラル盤
ジャケットはかなり頑張ってオリジナルに近づけています。ハーフ・シャドウの陰の部分も表情がわかるようになりました。



レコードは赤盤ですが、OdeonやAppleの赤盤とは盤質も色も違います。



レーベルはEMI/Odeonで、レコード番号はEAS-70131ビートルズ・シネ・クラブ サウンド研究会による解説と歌詞、山本安見さんによる対訳がついています。

さて、サウンド・インプレッションは 第12回『with the beatles』7種徹底比較!をご覧ください。
次の7枚を怒涛の一挙聴き比べ!しました。疲れたぁ…(笑)。
(1)イエロー・パーロフォン(モノラル-1N・ラウド・カット)
(2)イエロー・パーロフォン(モノラル-5N)
(3)イエロー・パーロフォン(モノラル-7N)
(4)シルヴァー・パーロフォン(ステレオ・1EMIマーク)
(5)シルヴァー・パーロフォン(ステレオ・2EMIマークス)
(6)国内盤旗帯(ステレオ)
(7)国内盤86年限定モノラル盤




© 2004 ryo parlophone




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