BEATLESのアナログ盤


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第12回『with the beatles』徹底比較!

とうとうラウド・カットを手に入れてしまいました。しかも「MKT」というけっこうレア?な刻印のファースト・プレス。 「Money」の出版社が「Jebete Mus.」になっているやつです。
ついでにマトリクス「−7N」で、ジャケットがErnest J.Day社製という、これまたけっこうレアなものも いっしょに手に入れたので、ここで怒涛の『with the beatles』7枚徹底比較試聴をやってしまおうという企画です。
ただしモービル盤をまだ入手してないのでそれだけはちょっと心残りなんですけどね(笑)。

さて、比較したのは次の7枚です。

マトリクス−1N。ラウド・カット。
A面のスタンパー関係は2/H。63年11月プレス。
マトリクス−5N
スタンパー5/AP。63年暮ごろのプレス。
マトリクス−7N
スタンパーは3/GH。おそらく64年初頭のプレス。
86年の国内限定盤
ここまでがモノラル。
1EMIマーク。
マトリクス-2。スタンパー関係は4/OT。69年プレス。
2EMIマークス。
マトリクス-2。スタンパー36? 70年代後半のプレス。
国内EAS規格(旗帯)、アップル・レーベル盤。
76年以降のプレス。


試聴したのはいずれもA面の曲で、ジョンの白熱のヴォーカルとコーラスの掛け合いが素晴らしい「It Won't Be Long」と、 ポールの軽やかなヴォーカルとアコースティック・ギターの美しい「Till There Was You」です。

まず、オリジナルのイエロー・パーロフォンを3枚続けて聴いてみましょう。

1Nラウド・カットは一言でいえば音が前に飛び出してくる感じです。
「It Won't〜」ではジョンのヴォーカルは元気よく、ジョージのグレッチも太くて存在感のある音で鳴っています。 シンバルの響きが豊かでスネアも張りのある音です。ベースは硬く引き締まった音。
「Till〜」でも、サ行の強調感は耳につきますが、やはり迫力のある音。ジョージの弾くナイロン弦のギターも美しい音色です。

5Nは高域と低域をカットして中域に集めたような音。 AMラジオ向けに整音したのでしょうか。ただ「It Won't〜」のBメロ、 「Since you〜」と歌うところで、リンゴのスティックがシンバルを叩くときの、芯のあるカチンカチンという音がとても 気持ちよく響きます。これはほかのレコードでは聞こえません。たとえば1Nではシンバルの響きに消されてしまうのです。 このリアリティーはけっこう魅力的(笑)。

7Nは5Nより元気のいい音で、「It Won't〜」では、 ジョンのヴォーカルもジョージのギターも明瞭に鳴っている感じです。 ただシンバルがやや大きめで低域が不足した感じです。
「Till〜」は1Nとほとんど差がありませんが、わずかにバランスをとってきれいにまとめられた感じの音になります。

つづいて86年の国内限定盤。「It Won't〜」は低域が充実していて実に安定感のある音です。 グレッチも存在感のある鳴りっぷり。 1Nに比べるとややおとなしい優等生的な音に聞こえます。とくにシンバルは7Nよりもおとなしい感じ。
「Till〜」はたいへんに瑞々しい音です。ポールの声は鮮度が高く、ベースの音も太くて存在感があります。1Nと比べると雑音成分のない すっきりした感じの音。ただし迫力は抑えられます。

ここでモノラル盤4枚を比較した表を作ってみました。

1N5N 7N限定
voのリアリティー★★★★★★★☆★★★★★★★☆
elgのソノリティー★★★★★★★★★★★★★★★
低域の充実感★★★★★★★★★★★★★☆
シンバルの実在感★★★☆★★★★★★★★★★
音楽としての迫力★★★★★★★★★★★★★☆
アコースティックな美しさ★★★☆★★★★★★☆★★★★★

こうしてみるとずいぶん国内限定盤の評価が高いようですが、ただ「Till〜」に続けてすぐ始まる「Please Mister Postman」 を聞いちゃうと、やっぱり迫力でずいぶん1Nラウド・カットとは差がつきます。この差はけっこう大きいと思います。

ではひきつづきステレオ盤3枚を比較してみましょう。

まず1EMI。 「It Won't〜」ではモノラルに比べややヴォーカルが細身に聞こえます。けれどもモノラル盤では聞こえなかったギターの 細かいフレーズがきちんと聞こえるのはうれしいところです。低域も出ているのでベースの動きがよく聞き取れます。高域はやや薄め。
「Till〜」は迫力のある音ですが、ポールのヴォーカルがやや歪っぽく、ガット・ギターの音もちょっとくすんで聞こえます。 ひょっとしたら前の所有者が聞き込んで、ミゾが少し荒れてるのかもしれませんね。

つづいて2EMI盤。1EMIに比べるとやや高域にシフトしたような音です。 「It Won't〜」ではジョージのグレッチがとてもいい音で響きます。
「Till〜」はポールの声がオン・マイクで、とてもリアルで迫力のある声に聞こえます。ベースもよく出ています。

最後は旗帯のアップル盤。 「It Won't〜」はヴォーカルもギターも音が薄くて、一瞬ちょっとピッチが早くなったように聞こえてしまいます。 シンバルも芯になる音が聞こえません。
「Till〜」ではポールのヴォーカルがすっきり聞こえます。ただ楽器は細身の音で、ガット・ギターも胴鳴りではなく、 弦が鳴っているように聞こえます。

さて、一気7枚の比較試聴、いかがでしたか。
思ったよりはっきりとした音の違いがあったのが自分自身としても意外で、なかなか楽しい比較試聴になりました。
あとはモービル盤だけ?


……いやいやとんでもないっ!だって最低でも5万ですよ、5万!
買えませんよ〜。
あはは…(意味不明の笑い)。

© 2004 ryo parlophone




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