ERIC CLAPTON SIGNATURE MODELS

今回は2本のエリック・クラプトン・モデルを紹介します。

1本目は1988年FenderU.S.A.から出されたストラトキャスターのクラプトン・モデル。
現在のE.C.はカラフルなペイントの施された新しいクラプトン・モデルを使用していますが、伝説のブラッキーを引退させて、 新しいストラトに持ち替えたいと考えたクラプトンが、当時のフェンダー社のマーケティング担当、ダン・スミスとのコラボ レーションで作り上げたのが、初代のクラプトン・モデルです。

ブラッキーを使用していた'85年ごろのライヴでは、ほとんどクリーン・トーンで弾きまくっており、なんだかもの足りなく感じたもの でしたが、このシグネイチャー・モデルに替えてからは、またディストーションの効いた凄みのある演奏を聞かせるようになりました。



アルダー・ボディにメイプル・ネックという、57年ごろのストラトと同じマテリアルですが、フィンガー・ボードはクラプト ンの希望により22フレットまで延長されています。
ピックアップはFender-Lace Sensorと名づけられたアクティヴ・ピックアップで、ミッドレンジ・ブーストと呼ばれる、 25dbのブースト回路によって、ハムバッキングのようなファットな歪みを作り出すことができます。
ピックアップの開発に当たったのはドン・レース、回路の設計はボブ・ハイガー、ギターの製作には当時立ち上げられたばか りだったフェンダー・カスタム・ショップのマスター・ビルダー、ジョージ・ブランダ、さらに彼の跡を継いだマイケル・ス ティーヴンスジョン・ペイジという錚々たるメンバーが携わりました。

ネックはマット・フィニッシュで、グリップはかなりのVシェイプ。ブラッキーのグリップを再現するためにクラプトンとダン・ スミスとの間で何度も細かい調整が続けられたそうです。
ミュージシャンの中にも愛用者が多く、再結成したイーグルスのジョー・ウォルシュもこのギターを使っていました。



ヘッドの先にクラプトンのサイン、さらにブラック・モデルのみ"BLACKIE"のネームが入ります。
裏にはスペシャル・エディションであることを表すSEつきのシリアル・ナンバーがプリントされています。
ぼくが持っているものはおそらく91年製だと思われます。


つづいて、1995年C.F.Martinから出された000-42ECです。

92年に放映されたMTV“UNPLUGGED”のクラプトン編は全世界にアンプラグド・ブーム、 アコースティック・ギター・ブームを巻き起こしました。
マーティン社にはクラプトンが使用したギターを問い合わせる電話が殺到したそうです。
この一大ブームによって、売れ行きの落ち込んでいたマーティン社は息を吹き返します。 まさに同社にとっても、クラプトンは「ギターの神様」だったのです(たぶん…笑)。

さらにこれを起死回生のチャンスと考えたマーティン社は、同社初のシグネイチャー・モデルの開発にかかります。
それがこのクラプトン・モデルで、ネーミングは000-42ECとなっていますが、ヘッドのヴァーティカル・ロゴ、指盤のスノー フレイクス、スロッテド・ダイアモンド、キャッツ・アイなどと呼ばれるインレイ、ブリッジの両脇のインレイなどの仕様は、 クラプトンの所有する000-45をコピーしたもので、アンプラグドで使用した39年製のOOO-42との折衷的なデザインになってい ます。



トップはシトカ・スプルースですが、ヴィンテージ・ギター特有の赤く焼けた色を再現するために着色されています。
サイド、バックはイースト・インディアン・ローズウッド、ホンデュラス・マホガニーのネックにエボニーの指板。スキャロッ プド・ブレイシングで、ボディー・サイズに似合わぬ大きな音が出ます。
19フレットと20フレットの間にはクラプトンのサインがマザー・オブ・パールでインレイされています。



クラプトンが再起を遂げたアルバム『461 OCEAN BOULVARD』にちなんで461本の限定生産で、94年のNAMMショーで発表され、 48時間でディーラーに売り切れたという記録を持っています。
ぼくは幸運にも3本のギターを弾き比べることができ、そのうち最も気に入ったものを購入しました。



ボディー内部のラベルにはそれぞれのナンバーと、クラプトンおよびC.F.マーティン4世の直筆サイン入り。
ぼくの友人のなかにはプリント・サインではないかと疑うやつもいますが(笑)、ぼくは3本ともサインが違っているのを確かめて いますから間違いありません。
シグネイチャー・モデルを作るときの条件の一つが、売り上げの一部を「エリック・クラプトン慈善信託」に寄付するということ だったのですから、クラプトンもけっこうマジに461枚サインをしていると思います。

ヘッドは戦前のモデルを思わせる極端にシャープなデザインで、チューナーはゴトー製のバタービーン・ノブ、ヘッド・プレイト にはモデル45と同じくマザー・オブ・パールによってC.F.MARTINのヴァーティカル・ロゴがインレイされています。




© 2004 ryo_parlophone

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