紙ジャケCDの誘惑


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Chapter 15 "There's one in every crowd"
by Eric Clapton


original : UK RSO 2479-132, July, 1975
paper sleeve : 1st issue Polydor POCP-9120, Mar. 28,1998
         2nd issue UNIVERSAL MUSIC UICY-9159, Nov. 21,2001

さて、クラプトンの『安息の地を求めて』である。
クラプトンのソロ・アルバムで一般的に評価が高いのは奇跡の復帰を遂げた『461 オーシャン・ブールヴァード』、あるいは 「コカイン」や「ワンダフル・トゥナイト」などの人気曲が揃った『スロウハンド』あたりだろう。
でもぼくはこのアルバムが好きなんだなあ。

A面の1曲め、トラディショナルの「We've Been Told (Jesus Coming Soon)」から始まって、やはり トラッド・ナンバーの「Swing Low Sweet Chariot」、あるいはジョージ・テリーとの共作 「Don't Blame Me」など、ゆったりしたレゲエのリズムは、前作『461〜』よりさらにリラックス・ムードだ。
そういうのも悪くないが、ぼくが好きなのはA面の最後を飾るエルモア・ジェイムズの「The Sky Is Crying」、 そしてB面の「Better Make It Through the Day」からラスト「Opposites」に至るクラプトンのオリジナル 楽曲群なのだ。
とくに「The Sky Is Crying」の、ワウをトーン・コントローラー的に使った、スライドによる静かに燃えるような ギター・ソロはいつ聴いても胸が熱くなる。

ま、御託はこれぐらいにして(笑)、UKオリジナル盤から見ていただこう。




写真で見るとたいしてぱっとしないこのジャケット、じつは特殊な顔料のようなものが使われていて、 オリジナルはブロンズ色に輝いているのである。
ところがこれがたいへんな曲者で、なんの気なしに触ったりすると指の指紋などが黒くついて表面の輝きは だんだん消えていってしまう。
ぼくが手に入れたときにはけっこう黒い指の痕もついていたりしたのだが、それでもコンディション的にはNMぐらいなのだ。



瓢軽なようでどことなく哀愁の漂う犬の写真はエンボス加工されている。



国内盤はごくふつうのつまらないジャケットで、帯には「英国オリジナル・ジャケット使用」などと書いてあるが、 こんなものはひどく質の低いコピーでしかない。



インサートがついていて、あまり上手とはいえない(笑)クラプトンのイラスト入り。
アルバム・タイトルの"There's one in every crowd"について水上はるこ氏は、 「どんな群衆の中にでも必ずそんな男がいる― 直訳すればこうなるが、ひとにはそれぞれの生き方があり、 キミはキミのやり方で生きて行き、私は私の道を歩いていく、というのが、このタイトルの意味するところだろう」 と国内盤LPの解説で述べていたが、クラプトンのイメージする群集のなかに必ずいる男というのが こんな感じなのだろうか。




アーリー・プレスではこのインサートにシリアル・ナンバーがついていた。
残念ながらぼくのにはない…(涙。

レーベルはRobert Stigwood Organisationのいわゆる赤ベコ・レーベルで、 「危険、子どもが遊ばないように」という注意書きのあるホワイト・インナー・バッグがついている。




さて紙ジャケであるが、最初に表記したように2回リリースされていて、二度目はこの特殊顔料ジャケを再現しているのだ。
最初の98年にリリースされたときの紙ジャケは国内盤と同じような平凡なジャケットだった。
もちろん2ndイシューが出たときに中古ショップに持って行ってしまったので、比較してお見せできないのが残念である。




不用意に触れてしまって、もういくつか指紋がついてしまったが、これはティッシュなどで拭いても取れない。
したがってジャケットを持つときは、シャネル・ブティックでココ・シャネルがデザインした優雅なシャネル・バッグを 取り出すときのように、白い手袋が必要である(半分マジ^^;)。

こうやって並べてみると、使用前・使用後みたいでちょっと情けない気もするが、紙ジャケの特殊顔料はわかっていただける のではないだろうか。



もちろん写真にはエンボス加工が施されている。



インサートには番号が打ってあるが、これは印刷なのでどのCDを買っても同じ番号である。
だ、だよね?
じつはよ〜く見ると印刷ではなくて、1枚1枚シリアルが違ったりして……。
まさかね(笑)。

レーベルは残念ながらPolydorの赤いものになってしまった。
(ちなみに1回めの紙ジャケは、それぞれのアルバムのカヴァーの色をイメージしたカスタム・レーベルだった。)



最後にサウンド・インプレッションだが、紙ジャケCDはなかなかいい出来だと思う。
細かいことをいえば、少し音が整理されてキレイキレイになった感じもあるが、低域の量感もきちんとでている。
UKオリジナル盤は、たとえばシンバルなんかはちょっと歪っぽいところもあるのだが、それが迫力にもなっているし、 とにかく鮮度があってなまなましい音だ。
ただ、ヴォーカルの口が少し大きくなる傾向があり、これはぼくのアナログの再生装置のツメの甘いところが 出てしまったようだ。
新たな課題が見つかっちゃったなあ(笑)。

© 2005 ryo_parlophone




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