紙ジャケCDの誘惑


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Chapter 13 "POST CARD"
by MARY HOPKIN


original : Apple APCOR 5 , Feb. 21, 1969
paper sleeve : TOSHIBA-EMI TOCP-67566 , Apr 24, 2005

今回は東芝EMIから発売されたばかりの、メアリー・ホプキンの『ポスト・カード』を取り上げてみた。
彼女の「悲しき天使」とか「グッバイ」といった一連のシングルが日本でも大ヒットしたのは1969年から70年ごろだが、 当時のぼくはアコースティック・ギターにしだいに夢中になってきて、シンガー・ソングライター系の音楽を聴き始めていたので、 メアリー・ホプキンに興味を持つことはほとんどなかった。
したがって今回の紙ジャケが初めて購入したメアリー音源なのだが、たまたま行きつけのレコード・ショップに UKオリジナル・モノラル盤の『ポスト・カード』が入っていたので、あわせて買ってみた。



まずはUKオリジナル盤である。



表裏ともヴィニール・コーティングされた美しいスリーヴに、メアリーの写真をあしらった3枚のポスト・カードと、 曲目を書いたカードとがレイアウトされている。
ジャケットの色が黒っぽく見えるかもしれないが、ダーク・ブラウンである。

それではフロント・カヴァーを紙ジャケと比較してみよう。



神秘的な碧い瞳とブロンドの髪に18歳の少女らしいあどけなさの残る顔立ち。
紙ジャケはオリジナル盤の美しさを見事に再現している。
そしてシンガーとしてやや線は細いながらも澄み切った透明な声。
スターとしての素質はじゅうぶんだ。
ただ、このアップルの「なんちゃって帯」はなんとかならないもんかなあ(笑)。



バック・カヴァー。
縮小されているとはいえ、写真のクオリティーも上々である。

右下の部分を見てみよう。
ポールの手書きになるイラストや曲目が記載されたポスト・カードには、 最後にプロデューサーのポール、エンジニアのケン・スコット?)、 フォトグラファー、リンダの名前が見える。
その下のクレジット部分には、何曲かでバッキングを務めたThe Mike Cotton Band、 おそらくデザイン関係のクレジットだろう、Graphics Gordon House、 そしてスリーヴ製作会社MacNeal Press, Ltdの記載がある。
こちらは紙ジャケの方だ。
CDでは1曲目に「悲しき天使」が入っていたり、ボーナス・トラックが収録されていたりするのだが、 曲目などはまったくいじられてなくて、UKオリジナル盤のままだ。
最後のスリーヴ製作会社の部分だけがTOSHIBA-EMI LIMITEDになっている。
紙ジャケのスパインは上下に絞りがある。
オリジナル盤はつぶれて変形しているので、画像ではわからないかもしれないが こちらも絞ってあるようだ。
フロント・カヴァーに折り返しがあって、そこにバック・カヴァーを貼り付けるスリーヴの作り方も オリジナルどおりである。

レーベル面はあいかわらずひどい。
東芝からリリースされるEMI系のものはどうしてこうなんだろう。



オリジナル盤はダーク・グリーン・アップルで、スピンドル・ホールの上には Sold in U.K.〜という再販価格に関するリマークがある。
『ホワイト・アルバム』の1stプレスと同じで、左側の回転数を表す33 1/3 の上に An E.M.I. Recordingという表記はない。
CDのほうはどうしたらこんなに力のない色になるのかわからないが、へなちょこ・ライト・アップルである。

それでは最後に音質について感じたところを述べておこう。
アナログ盤はモノラル特有の太い音で、メアリーのヴォーカルも大きめに定位する (ちなみにマトリクスはSide-1がAPCOR 5A-1、Side-2が5B-1)。
CDは1991年のリマスターで、木管の音などにやや古めかしい部分はあるが、瑞々しさはじゅうぶん保たれていると思う。
ただ、モノラルに比べると少し線の細い感じがし、とくに2曲目(アナログ盤ではオープニング)に収録された 「Lord of the Reedy River」では、いっしょに歌っているドノヴァンの声がかなり大きめにミックスされていて、 少し違和感があった。

© 2005 ryo_parlophone




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