紙ジャケCDの誘惑
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Chapter 19 "SANTANA"
original :US COLUMBIA PC 9781, Aug.1969
paper sleeve : Sony Music MHCP 997, May 3, 2006 |
今回は5月3日にリリースされたサンタナの紙ジャケを、アナログ盤や過去にリリースされたCDと聴き比べてみたいと思う。
まずChapter19 は1969年リリースの1stアルバム『SANTANA』だ。
ぼくはUSオリジナル盤を持っていないので、ほぼ同時期にリリースされたと思われるUKオリジナル盤と比較してみた。
このUK盤についてはブログの2月14日の記事にも書いているので、
そちらも参照していただけるとありがたい。
UK盤のスリーヴはコーティングのないシングルのペラジャケで、もうこの時期にはフリップバックではないようだ。
紙ジャケのほうはUSオリジナルの復刻なのでA式の厚紙で、こちらもコーティングはない。
US盤によくあるフロント・シールデッドではなく、バック・シールデッドになっている。
裏の写真がカラーになっているが、UK盤では裏もモノクロの写真になっている。
レーベルはアナログがUKコロンビアのオレンジ・レーベル、紙ジャケは2 Eyes の360°SOUND だ。
紙ジャケにはインナーとしてカンパニー・スリーヴが復刻されている。
音のほうを比べてみよう。
CDは低域ががっちりしていて、まずデイヴ・ブラウンのベースが耳を捉える。
ティンバレスやコンガといったパーカッション群は鮮烈で、グレッグ・ローリーのオルガンもじつに美しい。
サンタナのギターは思ったより硬質に響くが、エモーショナルで官能的な美質は損なわれていない。
ところがオリジナル盤はCDよりもさらにリアリティーが感じられるのだ。
マトリクスはA面が SBPG 63815 A1 、B面が SBPG 63815 B1 で、音はすこぶる鮮度が高い。
まず中域に厚みがあって音全体が立体的だ。
ヴォーカルは中央に小さく定位し、そこに艶やかで華やかなギターと力強く扇情的なオルガンが左右から咆哮を浴びせる。
ベースも重みがあって力強いし、ドラムスとラテン・パーカッションが叩き出すビートが、喧騒のなかにも何か
胸騒ぎを感じさせるような躍動を形作ってゆく。
畏るべしUKコロンビアというところだ。
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