紙ジャケCDの誘惑
前回に引きつづきストーンズの紙ジャケから、今回はオクタゴン(八角形)・ジャケットで有名な
『スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツ Vol.2』をご紹介していこう。 いずれにしても個人的には67年8月にリリースされたシングル「この世界に愛を(We Love You)」が
US盤には収められていないのがたいへん残念だ。 では例によってUK盤から見ていただこう。 |
オクタゴンという変形ジャケのアイディアがどこから出てきたのか、寡聞にして知らないのでぜひご教示願えると ありがたいのだが、ヴィニール・コーティングされた薄いE式のゲイトフォールド・スリーヴは相変わらず美しい。 メンバーの前には見えないガラスがあって、それぞれが鼻や口や手をガラスに押し付けている。 内側はコーティングがない。
フロント・カヴァーのタイトルと曲目の部分。 バック・カヴァー。 US盤ではステレオ用とモノラル用のスリーヴを共用してコスト・ダウンを図るということはごく当たり前だったが、
UK盤ではそれぞれ別のスリーヴが用意されることが多かった。 スパインの部分を見ると、どちらもステレオ、モノラル両方のカタログ・ナンバーが記載されているが デッカ穴のところを見ると…… 一目瞭然というわけだ。 この穴、UKのパテントを取っていて「43212/ 68」というクレジットがある。 なお、矢印の後には「曲目に + がついているものはモノラルに電気的な処理を加えてステレオ効果を出したものです。 下部のデッカ・ロゴの下にはラミネートにBritish Celanese Limited社が製造した
Clarifoilという製品を使用したというクレジットと、スリーヴ製作会社Garrod & Lofthouse社のクレジットがある。 さて、このスリーヴはレコードの出し入れを内側からおこなうようになっている。 ではレーベルとインナーをご覧いただこう。 最初はモノラル盤から。 |
赤いオープン・デッカのレーベルで、マトリクスはA面がXARL-9067-P-2A、B面がXARL-9068.P-3A、
機械による刻印である(A面はハイフン、B面はピリオドになっている)。 つづいてステレオ盤。 |
マトリクスはA面がXZAL-9067.P-1W、B面がXZAL-9068.P-2W(こちらは両方ともピリオド)、
さらにA面には9時方向に9 1、3時方向にH H、12時方向にJT、
B面には順に1、1H、JTの刻印がある。 ではつづいて、1日遅れでリリースされたUS盤を見てみよう。 |
ゲイトフォールドの内側はUK盤もコーティングがないので、たいした違いはないように見えるが
いつものように台紙に外側用のスリックを貼り付け、そのあとで内側のスリックを貼っている。 フロント・カヴァーにはなぜかUS LONDONのロゴがない。 収録曲が違っているのでレイアウトも違う。 当然のことながらバック・カヴァーにデッカ穴はない。 レコードはふつうの、右端から出し入れするタイプだ。 レーベルは紺のロンドン・レーベルで中央に大きく「STEREOPHONIC」と書かれたタイプ。 |
ではUK盤とUS盤を比較してみよう。 つづいて内側。 それではいよいよ紙ジャケです! |
US盤を基にしたコーティングのない厚紙ジャケットだ。 スパインにはタイトルとCD番号のほかに、例によってabkcoのロゴがくっきりとプリントされている。 CD面はピクチャー・ディスクになっていて、半円形のポリエチレンのインナーに収められている。 ではUS盤とくらべてみよう。 ゲイトフォールドの内側もスリーヴの作り方を含めてよく復刻しているほうだろう。 さて今回の紙ジャケの総合評価としては、ブログにも書いたがやはり70点というところだろう。 ちなみにユニバーサルでは権利の関係でDECCAロゴやレーベルの復刻がムリなのではないか、
と考えてる方がいらっしゃるかもしれない。 2001年のリリースだが、ブルーズブレイカーズの紙ジャケで、フロント・カヴァーにデッカ・ロゴ、
レーベルにはステレオのオープン・デッカを再現している。 2003年のCD-SACDハイブリッド盤のリリース時からアブコに対して何度も要請をくりかえし、
3年越しにやっとのことで紙ジャケ化にこぎつけたということだそうだが、
今回の紙ジャケにかんしては当のユニバーサル自身がいちばん不本意なのではないだろうか。 リリース前にはもっとも評判を呼んだ『サタニック』の3Dジャケをあえて外し、
今回のアルバム群のなかでももっとも地味な1枚である『アウト・オヴ・アワー・ヘッズ』のUK盤ジャケを
載せている。 |
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