紙ジャケCDの誘惑


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Chapter 5 "BLONDE ON BLONDE"
by BOB DYLAN
original : US COLUMBIA C2S 841, May 1966
paper sleeve : 1st press; Sony Records SRCS 7905, Dec. 21,1995
2nd press; Sony Music Japan MHCP 373, Aug.18,2004


紙ディラン、ぼくもやっと手に入れることができた。
でも『アナザー・サイド・オヴ〜』は店頭在庫切れ…。
ちょっとあせってます。

今回は『ブロンド・オン・ブロンド』を比較してみよう。



左は95年にソニー・レコード(当時)からSBM(スーパー・ビット・マッピング)マスターサウンド・ シリーズの1枚としてリリースされたもの。
ディランはこれと『追憶のハイウェイ61』の2枚しか出なかった。
あっという間に店頭から姿を消し(というか、紙ジャケ自体がまだまだ一部のファンのものだったので、おそらくプレス枚数が少なかった)、 ついこの前まで、オークションなんかでびっくりするような値段がついていた。
右下にSBMの白抜きのロゴが写っているが、これは保存用の透明ケースにプリントされているもの。
「イントロダクション」のページでも書いたが、初期の紙ジャケはこの保存用ケースがついているものが多かった。
右が今回のもので、昨年SACDとのハイブリッド盤で出たときのDSDマスターを使用しているそうだ。

帯の文字が正しく読めるようにレイアウトすると、ディランの顔が寝てしまうのは、ディスクの取り出し口を右にしているからで、 フロント・カヴァーのCBSロゴの位置からすれば、このスリーヴはいわゆるトップ・ゲイトなのだろう。

では帯をはずして、取り出し口が上にくるように置いてみよう。



まず、左の95年盤だ。
右と比較してみると、95年盤はディランの写真をトリミングして使っていることがわかる。
しかも無造作に複写して拡大して使っているからか、薄っぺらで安っぽいジャケットになってしまった。
背景の(これはなんだろう、左側はチェックのカーテンのように見えるけれど)右側の部分もずいぶん粒子が粗くなっている。
左上にはStereoの文字とカタログ・ナンバー、CBS Sonyのころからおなじみのロゴマークがプリントされている。

右の、新しい04年盤はディランの肖像が小さくなり、背景の情報量も増えている。
同時に画像も緻密になり、深みのあるジャケットになっている。
コートの質感などは一目瞭然だ。
それにしてもディランってかっこいい。こんなピンボケのポートレイトがサマになるんだから(笑)。
左上のマークはオリジナルと同じUSコロンビアのものに戻してあり、"360 SOUND"の文字の入ったSTEREOロゴも復活している。 カタログ・ナンバーがオリジナルのC2S 841になっているのも、こだわりだなあ。






今回いちばん話題になったのがゲイトフォールド・カヴァーの内側の写真だろう。
上は前回のものでポートレイトが7枚しかない。
今回はオリジナルどおり9枚。いやあ、めでたい。
しかも中央の谷折りの部分が余白になっていて、写真がかかっていないのもオリジナルどおりだ。

ぼくは遅れてきたディラン・ファンなので、なぜここにクラウディア・カルディナーレのポートレイトが載せられたのか 知らないし、後になってなぜそれが削除されたのかも知らない。
でも、きっと権利関係がクリアになったのだろう、いずれにせよオリジナルに戻ったのはいいことだ。

最後はレーベル。

95年盤は色がオリジナルのUSコロンビアのオレンジ・カラーになっていることを除けば、なんの変哲もないふつうの レーベルだ。
いっぽう今回の04年盤は、コロンビアのマークが両サイドにレイアウトされている、いわゆる2 Eyesを 再現し、下の部分も「"360 SOUND"」と「STEREO」のロゴと矢印を組み合わせて、USコロンビアの レーベルを模したものになっている。
ただ上の白い文字が「SONY MUSIC」になっているのがご愛嬌。
もちろんオリジナルはここの文字が「COLUMBIA」になっている。


さて音質のほうは、まだちょっとしか聴いていないのだが、音の深みと鮮度は明らかに違いが感じられる。
だいたい95年のSBMシリーズがあまり感心しないマスタリングだったもんね。
マイルスの『カインド・オヴ・ブルー』なんかもひどかった。すぐにUS盤(プラケ)を買い直したぐらいだ。
今回はいいですよ。うれしいなったらうれしいな(笑)。


それにしても昨年出たハイブリッド盤も処分できないのは、やっぱ貧乏性なのかな。
SACDプレイヤーも持ってないのに…。




2004/08/22
© 2004 ryo parlophone




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