紙ジャケCDの誘惑


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Chapter 1 イントロダクション

ここに『Swing JOURNAL』誌の1995年6月号がある。
ぼくがこの雑誌を熱心に読んだのは70年代の半ばごろ、毎日何時間もジャズを聞いていたころだ。
最近はめったに買うこともないが、このときたまたま『スイングジャーナル』を購入したのは表紙の ビル・エヴァンズの写真があまりにも素晴らしかったのと、 「ミニチュアLPで揃える これぞ究極の名盤コレクション」という特集があったからだ。
その前年にビクターエンターテイメントからプレスティッジリヴァーサイドインパルス などの紙ジャケットCD(それをここではミニチュアLPと呼んでいる)がまとめてリリースされ、 自分なりに欲しいものは手に入れていたのだが、もっと情報が欲しかった。
今ならインターネットで簡単に検索できるし、レコード会社各社も紙ジャケに力を入れているから買い逃すことも少ないが、 当時は限定発売のうえ、入荷しないCDショップも多かったから、うっかりしているといつの間にか店頭から消えていたのだ。
この特集では当時の編集長村田文一が選んだ24枚の紙ジャケCDに岩浪洋三が解説をつけている。
結局このリストを参考に 買い足したのはペギー・リーの『ブラック・コーヒー』ぐらいだが、それでもワクワクしながら買い集めたものだ。
紙ジャケ探検隊によると 94年3月2日にリリースされた、これら20枚の「マスターズ・オヴ・ジャズ」と題されたシリーズが、 わが国における紙ジャケCDの嚆矢ということになる(ちょっと表現が大袈裟ですが…笑)。
ちなみにロリンズの『ウェイ・アウト・ウエスト』は第2回発売20タイトル(94年3月24日リリース)の1枚である。
その後買い換えたりして手元に残っているものは少ないが、このシリーズは今でも中古ショップなどでよく見かけることがある。
帯のほかに紙ジャケを保護する透明のケースが付属していて、コストはかかっているのだが、材質のせいか、 周辺が茶色く変色してしまうのが玉にキズだ。
もう一つ、初期の紙ジャケで忘れてならないのが94年5月USヴァージン・レーベルからリリースされた ストーンズの紙ジャケ、『スティッキー・フィンガーズ』から『刺青の男』までの8タイトルだ。
右側の黒いものは日本語版の解説書。
ヴィニール・コーティングの美しいジャケットにりっぱな保護用のプラケまでついていたが、国内盤紙ジャケに比べると一回り小さく、 あまり評判はよくなかった。
しかしこの時期にアメリカで紙ジャケが作られたのはなかなかおもしろいのではないだろうか。
写真は『メインストリートのならず者』で、いちおう全ての付属品がついていた(と思う)。


ということで、このコーナーでは紙ジャケCDでお気に入りのものや気になったものを紹介していきたいと思います。

なお、これまで 「DAYS OF MUSIC & MOVIES」で取り上げた紙ジャケはこちらに移行します。ご了承ください。


© 2004 ryo_parlophone




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