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紙ジャケCDの誘惑
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Chapter4 "John B. Sebastian"
original :REPRISE 6379, 1970
paper sleeve :マスクラット・レコード RATCD 4231, May 25,2004 |
みなさんにも売り払ってしまって後悔しているアナログ盤があると思う。
学生のころ集めていたJAZZのアナログ盤700枚を3枚だけ残して処分したときは残念だったけれど、結婚したばかりでお金がなかったからしかたがなかった。
処分して得たお金は生活費としてあっという間に消えていったっけ…(笑)。
国内盤ばかりでUKやUSのオリジナル盤はほとんど持っていなかったので、二度と手に入らないようなものはほとんどなく、
いま少しずつ買い戻しているところだ。
でも、福岡はけっこうJAZZのアナログ盤が高い。
さて、ロック関係のアナログ盤もほとんど処分してCDに乗り換えたのが89年ごろだったと思うけれど、
すごく後悔したのが70年ごろ日本フォノグラムから出たジョン・B・セバスチャンのファースト・ソロ・アルバムで、その名も『John B. Sebastian』。
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アルバムを買ったのが先だったか、映画『ウッドストック』で彼の姿を見たのが先だったか……
と、「DAYS OF MUSIC & MOVIES」には書いたけれど、今ははっきり思い出した。
さきに映画を見たのだ。
30万人の聴衆を前にして、さすがの彼もナーヴァスになっていた。
途中で歌詞を忘れ……でも、最後までなんとか唄い通して、大歓声に送られてステージを降りた。
ラヴィン・スプーンフルのリーダーとして活躍し、「魔法を信じるかい」や「デイドリーム」の大ヒットまであるのに……。
やっぱりウッドストックというのはすごいコンサートだったのだ。
さてファースト・ソロは彼のホンワカとした人柄がにじみ出ているようなアルバムだった。
とくにA-3の「What She Thinks About」が好きだった。もう一度聞きたいなあ、と思っていたのだ。
それが今日レコードショップで新譜のCDをチェックしていたら紙ジャケで出ているではないか!!
ううっ(涙)…。リリース元のマスクラット・レコード、そして
責任監修の長門芳郎さん。ありがとう。嬉しいよお!
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ぼくが持っていたのはゲイトフォールド・タイプの国内盤だったが、紙ジャケはざらっとした手触りの厚紙ジャケットをよく再現している。
フロント・カヴァー、バック・カヴァーとも、そのウッドストックでのシーン。
絞り染めのあざやかなシャツで「ヤンガー・ジェネレーション」を唄っているところだ。
曲目のほかにミュージシャンのクレジットが記載されていて、クロスビー・スティルス&ナッシュ
の3人に、ダラス・テイラーの「CSN(Y)」組のほかにも、
元エレクトリック・フラッグのハーヴィ・ブルックスなど、そうそうたるメンバーが参加している。
プロデューサーはポール・ロスチャイルド。
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ゲイトファールド・カヴァーの内側もウッドストックでのショットが中心に構成されている。
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右側のページ、中右の写真を拡大したところ。
着ている服が同じなのでウッドストックでのステージなのだろう、D-45を抱えたスティーヴン・スティルスと
のショット(見たかった! いつの日か『ウッドストック』完全版が見られますように!)。
ダラス・テイラー、デイヴィッド・クロスビー、グレアム・ナッシュの顔も見える。
なお、解説の長門芳郎さんによると、ラヴィン・スプーンフルの権利関係のトラブルで回収されたが、
このアルバム、最初はMGMからリリースされたらしい。
したがって、幻のファースト・プレス・ジャケが存在するのだそうだ。サエキけんぞうさんじゃないけど、お手やわらかに!
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さっそく車で聴きながら帰ってきた。
わずか31分ながら、オープニングの軽快なロック・ナンバー「レッド・アイ・エクスプレス」、
リコーダが印象的な美しいバラード「シーズ・ア・レディ」、
ブラスと黒人女性グループのバック・コーラスもにぎやかに、スペクター・サウンド調の「Baby Don't Ya Get Crazy」、
純粋なカントリー・ソング「Rainbow All Over Your Blues」、
あるいはヴィブラフォンをバックに唄うフォークタッチの「Magical Connection」、
はたまたフォークルの「帰ってきたヨッパライ」のようなコミカルなインスト・ナンバー「Fa-Fana-Fa」、
最後はストリングスが入って、どことなく『ホワイト・アルバム』の「Good Night」を思わせる「I Had A Dream」まで、
カラフルで美しい11曲。
おかげですごく楽しいドライヴになった。
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2004/07/10
© 2004 ryo_parlophone
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