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まず、基本の音を確認するためにオリジナルを聞いてみます。ただしモノ盤とステレオ盤が
混在していますので、シュアーV-15で、アンプをモノラルに切り替えて聴いています。
まず印象的なのはモノラルなのにヴォーカルとそれぞれの楽器がごちゃごちゃにならずに、
きちんと描き分けられることです。
低域が薄く逆に高域がわずかに強調されて、ヴォーカルがやや金属的に聞こえる部分もあります。
ギターではJ-160Eのジャキジャキした感じがよく出ています。
1曲目でのバスドラとシンバルの連打も迫力のある音で響きます。
A-4のジョンのヴォーカルには強めにエコーがかかっています。
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次はステレオ盤で、まずシルヴァー・パーロフォン。
ひとつひとつの音がたいへんくっきりとして音像が立って聞こえます。シンバルの余韻も長くきれいに残る感じです。
ただレンジがやや狭くタンバリンが硬い音で鳴ります。
ジョージの弾くカントリー・ジェントルマンも同傾向で少し硬質な感じに聞こえます。
ところがA-4などではそれがいいほうに働いて、ベースの音などコリッとして魅力的です。手拍子なども非常にリアルです。
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国内盤オデオン・レーベルです。
全体的には、やはりUKステレオ盤に似た印象に聞こえますが、やや高域が強調された感じです。
J-160Eなどは少しジャキジャキし過ぎているようにも思えますが、コード進行がよくわかります。
ジョンの声には張りがあってとても魅力的です。
不思議なことにA-4のジョンのエコーは少なめです。
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つづいてモービル盤です。
チャンネル・セパレーションのよさが印象的で音場が左右に広がります。
ジョンの弾くJ-160Eは美しく響き、手拍子もいちばんそれらしく聞こえます。
バスドラとシンバルの連打も迫力のある響きを聞かせてくれます。
ただしタンバリンがややつぶれた音に聞こえる場面もありました。
実際にはあり得ないと思うのですが、カントリー・ジェントルマンのアンプの音に、生音がブレンドされたように聞こえる瞬間があります。
総じて録音の古さを感じさせない、たいへんいい音を聞かせてくれていると思います。
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最後は、限定モノラル盤です。
これはほんとうに魅力的な音です。まず、針を落として音が出る瞬間、思わず回転数を間違えたのかと思うくらいゆったりとした、
低域の充実した音です。ベースの動きもよくわかりますし、重心が低いので非常に安定感のある音に聞こえます。
A-1のバスドラとシンバルの連打も見事です。
ただし手拍子も重たく聞こえるので、なんだか手を叩いているようには聞こえません(笑)。
J-160Eはややきらびやかな感じですが、悪くはありません。
いわゆるドンシャリとは違う、高域から低域までバランスの取れた見事なマスタリングだと思います。
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