BEATLESのアナログ盤

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REVOLVER

いよいよこのシリーズも第10回を迎え、最近高評価の著しい『リヴォルヴァー』の登場です。
このレコードが発売されたのは英国が196685日、日本は2か月遅れの105日ですが、 その直前にビートルズの極東ツアーが組まれ、日本公演も6月30日〜7月2日に日本武道館で行われたのでした。
アルバム・タイトルはツアー中のものものしい警備のなかで日本の警察官が携帯しているリヴォルヴァー式の拳銃を見て ポールがつけたものだといわれています。

発売後にはアメリカ・ツアーが行われましたが、このアルバムからは1曲も演奏されることなく、 829日のサンフランシスコ、キャンドルスティック・パークの公演を最後に、 ビートルズは演奏活動をやめてしまいます。
つまり、『リヴォルヴァー』はライヴ活動を辞めてスタジオ・ワークに専念するようになる、その契機になったアルバムでした。

イラストを大胆にあしらったコラージュ風のジャケットはハンブルグ時代からの友人で、マンフレッド・マンのベーシストとして、 あるいは『イマジン』のセッションなどでも活躍したクラウス・フォアマンの手によるものです。
前作『ラバー・ソウル』から始まったサイケデリックなものへの傾斜はいよいよ本格化していくことになります。

ではまず、UKモノラル盤からご覧いただきましょう。




このレコードからモノラル盤とステレオ盤のレコード番号の数字部分が共通になります。
モノラルはPMC 7009、ステレオはPCS 7009です。
前作同様フロント・カヴァーにアーティスト名はありません。
フロントのみコーティングの施されたフリップ・バックのスリーヴはGarrod & Lofthouse社製で、 裏には4人が揃ってサングラスをかけた写真が載せられています。
レコーディング中のスタジオで撮られたこの写真は、このあとブッチャー・カヴァーで有名になるロバート・ウィタカーの撮影です。
芸術的な側面からいえばフロント・カヴァーを論じるべきなんでしょうが、 このバック・カヴァーを初めて見たときの印象はなかなか衝撃的なものでした。
前作『ラバー・ソウル』のフロント・カヴァーがすでに、アイドル的なレコード・ジャケットから逸脱していることはいうまでもないと思いますが、 この4人のポートレイトを見たとき、ああビートルズはもう以前のビートルズではないんだ、ということを如実に感じたのでした。




ブラック・アンド・イエロー・レーベル(通称イエロー・パーロフォン)で、リムのコピーは「THE GRAMOPHONE CO LTD〜」で始まるタイプ、 スピンドル・ホールの上に「SOLD IN U.K.〜」というセントラル・リマークが記載されています。
Side-1にタックス・コード「KT」の刻印があります。
ディスクの重量は165gで初期の『PPM』などと比較すると明らかに軽くなっています。
マトリクスはSide-1がXEX 605-2、Side-2がXEX 606-1で、 プレスを始めたその日にジョージ・マーティン自らがプレス工場を訪れ、 B面の差し替えを命じたという、いわくつきの1stプレス、俗にFirst day pressingと呼ばれるものです。



ちょっと写りがよくありませんがSide-2のマトリクスXEX 606-1です。
マザーおよびスタンパーはSide-1が5 /RMで、5枚目のマザー、24枚目のスタンパーから、 Side-2が1 /ORで、1枚目のマザー、52枚目のスタンパーからプレスされたことがわかります。
マトリクス、マザー、スタンパーなどの読み方に関してはYellow Parlophone Data Baseをご覧ください。
なお、4曲目のタイトルは「DR.ROBERT」表記のものと「DOCTOR ROBERT」表記のものがあり、 ここでは「DR.ROBERT」表記になっています。

インナー・スリーヴはそれまでのEMITEXに代わって、このアルバムから白いプレーンなものになりました。 左下の表記は「PATENTS APPLIED FOR」となっています。

つづいてはマトリクスの枝番が-2/-2となる2nd プレスです。




フォントやレイアウトは1st プレスとまったく変わっていません。
Side-2に「KT」の刻印があります。
スタンパー関係はSide-1が4 /HR、Side-2が2 /GGとなっています。
Side-1は4枚目のマザーを使用し、72番目のスタンパーからプレスされ、 Side-2は2枚目のメタル・マザー、11番目のスタンパーからプレスされたことになります。
Side-2、4曲目の表示はここでも「DR.ROBERT」になっています。
ディスクの重さは160g。マトリクス-1との差はばらつきの範囲でしょう。
インナー・スリーヴはおなじみ「USE EMITEX」と書かれたもので、白のプレーンなものがオリジナルですから どこかで差し替えられたのでしょう。

もう1枚モノラル盤を。
今度はB面の枝番が-3になった3rd プレスです。




やはりフォントやレイアウトは1st プレスと同じです。
こちらはSide-1に「KT」の刻印があります。
スタンパー関係はSide-1が1 /GOD、Side-2が4 /GHLで、 Side-2、4曲目の表示は「DOCTOR ROBERT」に訂正されています。
ディスクの重さは165gです。

4枚目はオリジナル・ステレオ盤です。




フロントだけヴィニール・コーティングが施されたフリップバック・スリーヴで、Garrod & Lofthouse社製です。
表ジャケット右上にはstereoの表記があります。
これまで、ステレオ盤の裏ジャケには四角い枠の中に「IMPORTANT」で始まる7行の注意書きが記載されていましたが、 『リヴォルヴァー』では枠がなくなりジャケットの最下部に3行で書いてあるので、 思わず「重要な」記事なのかと思って読んでしまいました(笑)。
その大意は「このレコードはステレオ用です。もしあなたの装置がこのレコードをかけるのに適当かどうか疑わしいときは、 レコード・ディーラーにご相談ください。しかしながら、ほとんどのステレオ装置はふつうの33回転あるいは45回転のレコードをかけても 安全に使用できます」ってな感じでしょうか。




レーベルは同じくイエロー・パーロフォンでリムのコピーは「THE GRAMOPHONE CO LTD〜」で始まるタイプ、 スピンドル・ホールの上に「SOLD IN U.K.〜」というリマークが記載されています。
タックス・コードはどちらの面にもありません。
ディスクの重量は165g。
マトリクスはSide-1がYEX 605-1、Side-2がYEX 606-1で、1st プレスですが、 ステレオ盤にはオルタネイト・ミックスは存在しないようです。

マザーおよびスタンパーはSide-1が3 /LM、Side-2が2 /PTとなっています。
なお、4曲目のタイトルは「DOCTOR ROBERT」に変更されたものです。
レコードの重さはこれも165gでした。
インナー・バッグは広告の印刷されたいわゆる「アド・スリーヴ」で、 ビートルズのアルバムは『リヴォルヴァー』と『オールディーズ』が掲載されていますから、 早くても66年12月以降に出荷されたものといえます。

つづいて再発ステレオ盤です。




ぼくが所有しているレコードはおそらく70年代初期のプレスで、 オリジナルと同じように表はヴィニール・コーティング、裏は折り返しのあるフリップバック、Garrod & Lofthouse社製ですが、 フロント・カヴァーにstereoの表記がありません。




70年から73年にプレスされた2EMIマーク、リムのコピーが「THE GRAMOPHONE CO LTD〜」で 始まるタイプのレコードです。
インナーはこちらも「アド・スリーヴ」で、70年代によく見かける臙脂色のものです。

マトリクスはYEX605-2、YEX606-2、マザー番号とスタンパー・コードはA面が1/G、 B面が1/Rとなっています。
ディスクの重量は155gで、これもほとんど差はありません。

つぎにUS盤をご紹介しましょう。
UK盤より3日遅い6688日にリリースされました。
まずはオリジナル・レインボウのステレオ盤です。




レコード番号はST-2576で、シュリンクがついたままになっています。
これまでのステレオ盤にはCAPITOL FULL DIMENSIONAL STEREOという文字と矢印と 「S」の字を組み合わせた大きなロゴが入っていましたが、ここではUK盤と同一のスモール・ロゴになっています。
少なくともジャケットのうえでは、ビートルズの意向を尊重しようという姿勢が現れてきたのでしょうか。
だとすれば、ブッチャー・カヴァーはちゃんと有効だったわけです(笑)。
裏ジャケット右下には数字がありません。




おなじみのレインボウ・レーベルで、他のスクラントン・プレス同様、Side-1の「1」が「I」になっています。
マトリクスは機械による刻印で、それぞれST1-2576-A5、ST2-2576-A5
三角形のなかにIAMと記されたマークの入った東海岸スクラントン・プレスです。
重量は150gと、イエロー・パーロフォンと比べると少しだけ軽い感じがします。
インナー・バッグは『ラバー・ソウル』などの写真が掲載された、66年から使用されたものです。

前作の『ラバー・ソウル』と同じようにUK盤とは収録曲に違いがありますが、 今回は先行するUS編集アルバム『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』(666月リリース) にジョンの曲が3曲収録されたため、UK盤よりジョンの曲が3曲少ない11曲収録というかたちになっています。

もう1枚は再発のアップル盤です。
A面にMFD. BY APPLE RECORDS, INCというクレジットのある、71年から75年のあいだにプレスされたもので、 ホワイト・プレーン・インナーに入っています。




マトリクスは手書きで、それぞれ1-2576-A-19、2-2576-F-20となっていて、 ステレオを表すST というプリフィクスはありません。
そのほかにA面には「1」、B面には「2」という機械による刻印が見られます。
アスタリスクのようなマークがあるので、LA工場のプレスです。
ディスクの重さは160gで、レインボウより重くなっています。

バック・カヴァー右下のファクトリー・ナンバーは手書き風で、18

つづいて国内盤を5枚ご紹介しましょう。
まず、国内初盤のオデオン・レーベル。前述のように66年10月の発売です。




レコード番号はOP-7600で、両面ともヴィニール・コーティングされた豪華なスリーヴです。
前作『ラバー・ソウル』のペラジャケとは違ってかなり分厚い紙でできています。
裏には折り返しがありませんが、UK盤を踏襲したのでしょうか、上下に帯のように白い部分があります。




レコードは赤盤で重さは140g。
『ヘルプ!』や加山雄三のレコードなどが紹介された広告インナーに入っています。

福田一郎さんの大変に力の入った 丁寧なライナーノウツがついています。2ページめには全14曲の詳細な解説があります。
これを読むと当時の4人がどんな風にレコーディングを重ね、周囲のファンや評論家、 あるいはプレス関係者がそれをどんな期待で見守っていたか、よくわかります。
この解説が読めるだけでも国内盤の価値があると思います。


次はカタログ・ナンバーがAP-8443に変更された国内盤3rd プレス。
「矢印帯」と呼ばれる緑の帯がついています。
(ちなみに、2nd プレスはオデオン・レーベルでカタログ・ナンバーがOP-8443に変更になったものです。)




初盤と同じように両面コーティングされた厚紙ジャケットですが、レーベルがAppleに変更された あとのもので、69年ごろのリリースでしょうか。




ディスクの重量は125gで、あきらかに軽くなっています。
エヴァークリーン・シリーズの赤盤も存在しますが、ぼくが持っているのは残念ながら黒盤です。
レーベルはアップルで、おなじみの黒いインナー・バッグに入っています。
リンゴの一番下にあたる部分の表記は「MFD.BY TOSHIBA MUSICAL INDUSTRIES LTD JAPAN」 となっています。
初盤についていたのと同じ、福田一郎さんのライナーがついています。

次は社名が東芝EMIになってから出た国内盤4thプレス。
ジャケットも帯もあまりにもきれいだったのでつい衝動買いしてしまいました(笑)。




レコード番号はAP-8443のままで、「フォーエヴァー帯」とよばれる帯がついています。
最初から裏に補充票のついていないタイプです。
コピーは「ジャケット、詩そして音、その全てにアートの香りが溢れているビートルズの頭脳的傑作集」。 なかなかいいですね(笑)。
不思議なことに4th プレスからノン・コーティング、フリップ・バック!のペラジャケになりました。




左が初盤。折り返しは内側にあるので外からは見えません。右は4thプレス。折り返しが外にあります。



こちらは3rd プレスと4th プレスを比較したもの。
取り出し口を見るとこんなに厚みが違います。




ディスクの重量はさらに軽くなってわずか105g。
3rd プレスと同じくアップル・レーベル、ブラック・インナーですが、 社名変更後ですので、リンゴの一番下にあたる部分の表記は「MFD.BY TOSHIBA EMI LTD JAPAN」となっています。
ライナーノウツはやはり福田一郎さんのものがついています。

つづいて82121日にリリースされた限定モノラル盤です。
前年の12月にイギリス本国でイエロー・パーロフォン・レーベルのモノラル盤がリリースされました。
国内でもそれに倣って出されたもので、EMI/Odeonレーベル、レッド・カラー・ヴィニールの限定盤です。
レコード番号はEAS-70136




the beatles original mono record」「限定発売カラー・レコード RED」と書かれた 黒い細帯がついています。
帯のコピーは86年盤のものとほぼ同じです。
フロント・カヴァーの右上にはオリジナルとは違ってmonoのラージ・ロゴ。マニア心をくすぐります(笑)。
バック・カヴァーの上下にあった帯状の余白はなくなっています。




赤いディスクは、エヴァークリーン・シリーズの赤盤とは盤質も色も違います。重さは125g。
コンプリート・ビートルズ・ファン・クラブの松本恒雄・河口高弓両氏による解説と、歌詞および 山本安見さんの対訳がついています。

もう一枚は866月に発売された、再発の限定モノラル盤。 来日20周年特別企画と書かれた赤い太帯がついています。




帯が違う以外は、レコード番号やジャケット、レコードの仕様など82年のものとまったく同一です。
もう一つの違いは解説書。ビートルズ・シネ・クラブ サウンド研究会による解説と歌詞・対訳がついています。




帯以外でこの2種類の国内限定モノラル盤の違いを見ておきましょう。
まずジャケットのバック・カヴァー。86年盤には「H・6・4」という発売年月日に関する記号が左下についています。 82年盤にはありません。



もうひとつはレーベルです。




左が82年盤で、「MONO」の下のマトリクス表記が「YEX-605-M」となっています。 (モノラル盤だからXEXのはずなんですが…笑。)
右は86年盤。マトリクス表記が「YEX-605-D」になり、JASRACのロゴの下にJISマークがついています。

アナログ盤最後は849月にリリースされたモービル盤です。




ビニール・コーティングではありませんが、艶のある美しいスリーヴ。
表ジャケット全体に黒い縁取りがあり、独特の雰囲気を漂わせていますが、『BEAT SOUND』第3号 (ステレオ・サウンド社刊)の三浦孝仁さんの記事によると、 単にアート・ディレクターがスキャンしたデータの処理を間違えただけというのが真相だそうです。




なかからレコードを取り出すと、こんなふうに厚紙でできた保護紙に挟まれた状態です。 インナーも静電気を防止する働きがあると謳われています。
おなじみホワイト・レーベルにブラウンのロゴ。ディスクの重さは130gです。

では恒例になりました(?)オマケです。
今回は英国UFOレーベルから出版された写真集つきの限定CDボックス・セット。

ボックスの表にはクラウス・フォアマンのジャケットが正式採用される前に候補としてあがっていた デザインが用いられています。



写真集は『ウィズ・ザ・ビートルズ』以来ジャケットの写真を撮ってきたロバート・フリーマンのもので、 フリーマンの直筆サインと限定番号が書かれたシートが入っています。
CDはオランダ・プレス。

なかなか興味深いのがCDのペイパー・スリーヴで、レコーディングのときかなんかに使用したらしき記録用紙? が印刷されています。

こちらは写真集の中味。




セッション中のメンバーやジョージ・マーティンのようすを捉えた写真が48ページにわたり掲載されています。
ミキシング・ルームでプレイバックを聴きながら談笑するジョン、ポール、そしてミック・ジャガーというショットもあります。



ジョージの弾くストラトのネックにはびっしりとトラ目が入っています。う、うらやましい……。

各レコードの音質評価については、 モービル・フィディリティ・サウンド・インプレッションのコーナーで取り上げています。 あわせてご覧ください。

また、これはいつになるかわかりませんが(笑)、そのうちマトリクス-1、-2、-3、82年国内盤、86年国内盤による、 「モノラル盤5枚徹底比較試聴」というのもやってみたいなあと思っています。

なお、矢印帯のジャケットの修正についてDAYS OF MUSIC & MOVIES国内盤ジャケの怪 『リヴォルヴァー』篇というところで 取り上げています。
お暇なときにちょっと覗いてみてください。




special thanks to Mr.Y.Z.
© 2004-5 ryo_parlophone





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