紙ジャケCDの誘惑
5月3日にリリースされたサンタナの紙ジャケを、アナログ盤や過去にリリースされたCDと聴き比べるシリーズの第2回、 Chapter20 は2ndアルバム『天の守護神 ABRAXAS』である。 紙ジャケはコーティングのないA式のゲイトフォールドで、USオリジナルを復刻している。 ゲイトフォールドの内側はステージの写真をつかったもの。 US初盤に貼られていたというTIME誌のステッカーやオリジナル・インナーのほかに、 US盤や国内初期盤についていたポスターなども復刻されているので付属品がにぎやかだ。 ぼくが持っているのは国内盤SQ-4(カタログ・ナンバー SOPN 44004)で、リアル・タイムに購入したと思っていたが
今回調べてみると入手は1972年の9月になっていた。 さて、今回CDと比較してみて初めてわかったのだが、なんとアナログ盤は通常のCDとミックスが異なるのだ。 たとえば「ブラック・マジック・ウーマン〜ジプシー・クィーン」を聴いてみると、まずLPはフェイド・インしないのにびっくりする。 あわててCDを聴いてみるが、こちらにはクラベスの音はまったく聞こえない。 ついでなのでそれぞれの楽器の定位を表にしてみた。
(註:表にはコンガより高い音が反対のチャンネルから聞こえるのでボンゴと記載しているが、 ひょっとしたらコンガが複数録音されているのかもしれない。) 「ブラック・マジック・ウーマン」から「ジプシー・クイーン」に繋がっていく部分では
オルガンも左右のチャンネルを移動するようになり、ギターは最後のフィードバックまで右に左に忙しく移動する。 3曲めの「Oye Como Va ぼくのリズムを聞いとくれ」も、CDではイントロ始まってすぐに左ch.で聞こえる
「ブルルル〜〜、サボ〜レ!」みたいな掛け声がLPではほとんど聞こえない。 オルガン・ソロの直前の最弱音部で、LPではオルガンの音が逆相のようにスピーカーいっぱいに広がり、
さらにそこに楽器のノイズのようなカラカラ〜という音がかなり大きめに入っている。 4曲めの「ネシャブールのできごと」はこのアルバムのなかでぼくがいちばん好きな曲だが、 いったんテンポが遅くなってボレロのリズムになっていき、またテンポ・ダウンする中間〜終曲部で、 アルベルト・ジアンキントのピアノが左右のスピーカーのあいだに広がりをもってミックスされ、 この曲の美しさを際立たせている。 個人的にはこのSQ盤のミックスのほうが好みだ。 今回のCDに付属しているウイリーナガサキ氏のライナーを読んで、初めて「ネシャブールのできごと」がフランスの植民地支配と
闘ったハイチ人をテーマにしていることを知った。 |
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